こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
エリザベス女王杯でよく見られた決まり手とは
4年ぶりに京都開催に戻るエリザベス女王杯が行われる京都2200mコースは、スタートしてから1コーナーまで400m程と標準的な距離でそこからはペースが緩み、後半は京都外回りコースらしく坂の下りからペースが上がって3〜4F戦になるのが一般的。
2013〜2019年の当レースのラップを見ても、コーナーに入るスタートから400〜600m区間で最も速いラップだったのが2014・15年の12.4秒。ほかの年は12秒台後半から13秒台とペースが落ち着くことが多く、直線平坦の京都外回りコースの中でも前走で先行してきた馬の好走率や回収率が高めの距離設定。
対して阪神2200mで行われたここ3年は、3着以内に入った9頭の内初角10番手以下で入った馬が7頭で、残りの2頭も初角6・7番手。ラップを比較してみても、テン落ち着いて中間緩み後半スピード勝負の京都に対し、テン速く中間緩まず最後はバテ比べの阪神と、レース質が180度違っていることがわかる。
昨年好走したジェラルディーナとライラックは、共に初角10番手以下から差してくる競馬だった。コースが替わる今年続けて好走するハードルは低くなさそう。
そしてもう一つ京都のエリザベス女王杯でよく見られた決まり手が、好位や中団のラチ沿いから馬群がばらけたところを差してくるパターン。近年でも2014年のラキシス、2016年のクイーンズリング、2017年のモズカッチャン、2019年のラッキーライラックといった辺りがその競馬での勝利。当然内枠の方がラチ沿いを取りやすいので、これらの馬はすべて3枠より内だった。
ただ改修工事が明けてからの京都外回りは、3〜4コーナーの改修の影響か12頭立て以上のレースで4枠より内の枠且つ、初角7番手以下で勝利したのは天皇賞(春)のジャスティンパレス、鳴滝特別のブレイヴロッカー、古都Sのワープスピードのみ。この3レースに共通するのがハイペースで差し有利の展開で、どの馬も4コーナーでは外を回していたこと。つまり内枠を活かした立ち回りをしていたとは言えなかった。
結果で見ても差し馬の好走は外枠に偏っていて、以前程イン差しが期待できない為、ペースが流れにくい傾向のエリザベス女王杯では先行馬の利が大きくなると予想。