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【#28】夫は1人で診察の受付ができるのか? 遠くから見守る私の願いは──

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  • 2023年11月13日(月) 18時01分
shirahama

▲“今までできていたこと”が1人でできる?(撮影:白浜由紀子)


障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。

関西の病院へ転院するため、最初に救急車で運ばれた九州労災病院へ診察に向かうふたり。

「脳の後遺症の影響で、今まで難なくできていたことができないかもしれません」と病院からは報告を受けつつも、「ここで甘やかしてしまうとそれが当たり前になる」と、鬼嫁は雄造騎手に敢えて試練を与えます──。

診察券と予約表を渡し、私は遠くの椅子へ


 2022年11月15日、火曜日。

 関西の病院に転院するには、落馬当日に救急車で運び込まれた九州労災病院の主治医の許諾が必要とのことで、私は夫の受診に立ち会うため、早朝から新幹線で小倉へ。

 転院先が決まらない状況での受診です。夫から転院日について問われたらどう答えるかを考えると憂鬱な気持ちになりました。

 ただ、こちらの事情は小倉リハビリテーション病院や九州労災病院の方々には関係のない話です。憂鬱な気持ちを悟られないよう気持ちを立て直し、小倉リハビリテーション病院のロビーで夫が降りてくるのを待ちました。

 エレベーターから降りてきた夫は、最後に会った10日前と比べて回復が進んでいるようでした。

■11月2日の歩く様子(撮影:白浜由紀子)


■九州労災病院受診の前日、リハビリ中の様子(撮影:白浜由紀子)


 前回は少し足を引きずっているようにも感じましたが、この日は比較的スムーズな足運びができているようで、歩くスピードも速くなっていました。

 その後、他院受診のための注意事項などをソーシャルワーカーさんから伺ったのですが、夫はどこか上の空。あまり話を聞いていない様子でした。看護される入院生活に慣れて、他人にいろいろとやってもらうことに慣れてしまっているのかな? と感じました。

 小倉リハビリテーション病院を出発してすぐに、夫から「俺が落馬したのは坂口厩舎のマイネルプロンプトやんね?」と質問が。以下、こんなやり取りがありました。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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