世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
※当コラムは無料でお楽しみいただけます
ソールオリエンスやセリフォスの母もこのセール出身
日本の皆様、お元気ですか。「フランス競馬便り」のウインター・バージョンを、ドーバー海峡に面した海辺のリゾート地・ドーヴィルからお届けいたします。
ヨーロッパでも有数のブリーディングストックセール、「アルカナ・ディセンバーセール」が、ここドーヴィルを舞台に、12月9日から12日まで開催されます。今年も、1000頭を超える牝馬と当歳馬が上場を予定しています。
このセールで御購買いただきました牝馬から、実にたくさんの活躍馬が日本で生まれていることを、皆様は御存知でいらっしゃいますか?
例えば今年の3歳世代では、GI皐月賞を快勝し、GI日本ダービー、GI菊花賞でも入着をはたしたソールオリエンス(牡3)の母スキア(父モティヴェイター)は、フランス産馬で、2014年のアルカナ・ディセンバーセールにケネイ牧場から上場され、社台ファーム様に御購買いただいた牝馬です。
あるいは、昨年のGIマイルチャンピオンシップ勝ち馬で、今週末の同競走に自身の連覇を狙って出走するセリフォス(牡4)。同馬の母シーフロント(父ルアーヴル)もまたフランス産馬で、2016年のアルカナ・ディセンバーセールにて吉田晴哉さまに御購買いただきました牝馬です。
さらに、セリフォスと同じ中内田充正調教師の管理馬で、今年8月にGII札幌記念を制した他、G1クイーンエリザベス2世C2着、GI天皇賞(秋)3着などの活躍を見せているプログノーシス(牡5)。同馬の母ヴェルダ(父オブザーヴァトリー)もまた、アルカナ・ディセンバーセールの出身馬です。
アルカナ出身牝馬は、日本のダート戦線にも活躍馬を送り出しています。今年5月、京都競馬場で行われたGIII平安Sを制したグロリアムンディ(牡5)の母ベットーレ(父ブルエアフォース)。現役時代にG3カルロキエーザ賞を制している同馬は、2014年のアルカナ・ディセンバーセールにて、ノーザンファーム様の代理人に御購買いただきました。
さらに記憶に新しいところでは、2022年の3歳三冠最終戦のGI菊花賞は、勝ち馬アスクビクターモアの母カルティカ(父レインボウクエスト)も、2着馬ボルドグフーシュの母ボルドグザグ(父レイマン)も、アルカナ・ディセンバーセールの出身馬でした。
アルカナ・ディセンバーセールで御購買いただきました牝馬が産んだ子供の活躍は、言うまでもなく、日本に限ったことではありません。例えば、昨年のG1メルボルンCの勝ち馬で、今年の秋もG1ターンブルSを制したゴールドトリップ(牡6)。同馬自身がフランス産馬ですし、また同馬の母サルヴァナ(父ドバイデスティネーション)は、2014年の当セールにアガ・カーンスタッドから上場され、ゴールドトリップの生産者であるマイケル・モンフォート様に御購買いただいた牝馬です。
お膝元のフランスでも、今年の夏にGIパリ大賞を制したフィードザフレーム(牡3)の母クニャジナ(父モンジュー)が、2018年の当セールにモンターニュ牧場から上場され、フィードザフレームの生産者に購買されました。
今年のセールにも、日本の生産者がご参加される予定です。今や世界でもトップクラスの競走馬を生産するようになった日本の皆様が、この市場でどのような牝馬を選び、どんな配合を行ない、どのような産駒が生まれるか。日本の競馬ファンの皆様とともに、その推移を見守りたいと思います。
オンライン・カタログや、セールに関する最新情報は
こちらまでアクセスを!