世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
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購入された後は翌年も現役で走るか、引退して繁殖入りするか
日本の皆様、お元気ですか。ドーバー海峡に面した海辺のリゾート地・ドーヴィルからお届けする「フランス通信」のウインター・バージョン。その第2回に、よろしくお付き合い下さい。
フランスで最高の品揃えを誇る「アルカナ・ディセンバーセール」の開催が、12月9日〜12日に迫っています。
先週もご紹介をさせていただきましたように、このセールで日本の生産者の皆様に御購買いただきました牝馬から、ソールオリエンス、セリフォス、プログノーシス、グロリアムンディ、アスクビクターモア、ボルドグフーシュなど、たくさんの活躍馬が産まれています。
1000頭あまりが上場を予定している今年の「アルカナ・ディセンバーセール」ですが、そこには、日本の競馬や生産と縁の深い血脈を持つ馬が、複数含まれています。
例えば、上場番号75番のガーデンオヴザゴッズ(牝2、父キングマン)は、日本で走り、GII目黒記念やGIIAJCCを制したキングオブコージの半妹にあたります。バロダ・スタッドから上場される同馬は、従兄弟に2020年の欧州年度代表馬ガイヤースがいるという、良血ファミリーを背景にもっています。
あるいは、上場番号159番のムーンレイ(牝3、父サクソンウォリアー)。皆様もご存知のように、同馬の父は日本の至宝ディープインパクトの産駒です。ニコラ・クレモンから上場されます同馬は、シャンティーのG3ミエスク賞(芝1400m)の勝ち馬です。
上場番号175番のコムラ(牝3、父ヴォーカライズド)は、祖母がゴールドバストですから、日本で走りGIIスプリングSを制したガロアクリークの従姉妹にあたる馬です。コムラ自身、G1愛1000ギニー(芝8F)3着などの実績がある活躍馬で、同じファミリーには、G1・14勝の名牝ゴルディコヴァもいます。
上場番号185番のフレンチボブ(牝3、父ガリレオ)は、母の父がディープインパクトです。本馬の母ビューティーパーラーは、2012年のG1仏1000ギニー(芝1600m)勝ち馬。ディープインパクト産駒として初めて、ヨーロッパの3歳クラシック制覇を果たした馬でした。本馬の半姉には、アメリカのG1ファーストレディS(芝8F)勝ち馬ブロウアウトがいます。
ここまでご紹介した4頭はいずれも、年齢が2歳か3歳で、「現役馬」というカテゴリーでの上場となります。
日本では、セールにこのような「現役牝馬」が上場されるケースは、ほとんどないと聞いていますが、フランスのセールには、ごく当たり前のように「現役牝馬」が上場されます。そして、セールで購買されて馬主が変わり、翌年も現役で走るというケースがしばしば見られます。
今年の「アルカナ・ディセンバーセール」に上場される現役牝馬の目玉商品が、上場番号184番のプラスデュキャルゼル(牝4、父ロペデヴェガ)です。同馬は、昨年のG1オペラ賞(芝2000m)勝ち馬で、今年もG2フォワ賞(芝2400m)など2つの重賞を制しています。
あるいは、上場番号189番のラパリジェンヌ(牝4、父ザラク)は、3歳だった昨年、G1仏オークス(芝2100m)2着、G1ヴェルメイユ賞(芝2400m)3着などの成績を残した馬ですし、上場番号197番のミザンセーヌ(牝4、父シユーニ)は、G1フィリーズマイル(芝8F)4着、G1ビヴァリーD.S(芝9.5F)4着と、欧米両大陸のG1で入着している馬です。
こういう馬たちが、翌年も現役で走るか、引退して繁殖入りするかは、御購買されて新しい馬主となった方の、ご判断次第となります。
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