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ダートで重賞を狙えるエーシンアロー

  • 2006年06月14日(水) 19時49分
アドマイヤパルサー(牡 美浦・河野通文 父アドマイヤコジーン、母セレサス)
 母セレサスはディーエスサンダー(03年マーキュリーC-GIII)の半姉で、その父カーネギーの配合上の核となっている名牝Lalun 4×4を、その息子Never Bendのクロスによって継続発展させた好配合馬。競走馬としてはイマイチの成績に終わったが、繁殖牝馬としてはおもしろいだろう。本馬の父は新種牡馬アドマイヤコジーン。現役時代に朝日杯3歳S(GI)と安田記念(GI)を勝った一流馬で、配合的にしっかりしているので意外な成功も期待できる。気性面の難しさを出さなければ上級まで出世できるかもしれない。


ウインエトワール(牝 美浦・小島太 父フジキセキ、母シンコウノビー)
 「フジキセキ×Nashwan」という組み合わせで、ウインレジェンド(葵S-OP)の半弟にあたる。本馬の父はフジキセキ、兄ウインレジェンドはサンデーサイレンス産駒なので、正確にいえば「4分の3弟(父が親子同士で母が同じ)」ということになる。フジキセキ産駒は母系にMr.ProspectorかPrincely Giftを入れた配合が成功している。1400〜1800mあたりを得意にするわりには、母系にスピードを入れないと動きの鈍い子が出やすい。本馬はどちらのパターンにも当てはまっていないが、スピード能力の高いウインレジェンドの半弟で、Mr.Prospectorの父Raise a Nativeが入るので大丈夫だろう。芝向きのマイラー。


エーシンアロー(牡 栗東・武邦彦 父アフリート、母エイシンリーズン)
 父アフリートはNijinskyを抱えた繁殖牝馬と相性がよく、過去にプリモディーネ(99年桜花賞-GI)、プリエミネンス(ダート重賞8勝)、ビッグウルフ(03年ジャパンダートダービー-GI)、リキアイタイカン(01年CBC賞-GII)、イシヤクマッハ(01年グランシャリオC-GIII)などの活躍馬を輩出している。本馬はこのパターン。さらに、「アフリート×トニービン×マルゼンスキー」という組み合わせはビッグウルフとまったく同じ。大物感あふれるダート向きの配合だ。


サンワードブル(牡 美浦・堀井雅広 父アグネスタキオン、母モカモカ)
 アグネスタキオン産駒は、1勝目を挙げたあと伸び悩むものが多く、成長力に欠けるという評価が定着しつつあったが、ロジックがNHKマイルC(GI)を勝ったあたりから風向きが変わり、直近の8日間で5頭が500万下を勝ち上がっている。本馬は「アグネスタキオン×Affirmed」という組み合わせで、母系の奥にはアグネスタキオンと相性のいいRibot系の血(His Majesty)が入っている。仕上がりの早さと成長力を兼ね備えた配合で、芝・ダートどちらでもOK。高いポテンシャルを秘めている。


ヒシマイスター(牡 美浦・中野隆良 父フレンチデピュティ、母スウィーピングズ)
 フレンチデピュティのパワーとスピードを強化するのが母系にMr.Prospectorを持つ配合。ノボジャック(JBCスプリントなど重賞8勝)を筆頭に、アルーリングボイス(ファンタジーS、小倉2歳S)、ライラプス(クイーンC)、スルーレート(フラワーC・2着)、マッチレスバロー(共同通信杯・3着)などの活躍馬を輩出している。本馬の母スウィーピングズは、名種牡馬エンドスウィープの4分の3姉(父が親子同士で母が同じ)にあたる。仕上がりが早く芝・ダート兼用。いかにもPOG向きだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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