▲ちょうど18期ずつ離れた3人が集結 引退された熊沢元騎手に花束を贈呈(撮影:福井麻衣子)
今週から年末スペシャルとして三世代のジョッキーによる『世代間ギャップトーク』がスタート。競馬学校2期生の熊沢元騎手、20期生の佑介騎手、38期生の大河騎手とそれぞれ18期ずつ離れた3人が、自分たちの世代の考え方、またお互いの世代に感じることについて話してくれます。
その前に、まずは先日引退されたばかりの熊沢元騎手のお話。これまで落馬があっても幾度もはい上がってきた鉄人に、引き際を悟らせた出来事とはなんだったのでしょうか。「レースに向かって行く熊沢さんの背中を見せてもらってきた世代」──後輩たちがその生き様に改めて耳を傾けます。
(取材・構成=不破由妃子)
決め手となった最後の落馬「あんな落ち方…自分でもショックだった」
──今回は、『with佑』年末スペシャルとして、佑介さんを真ん中に三世代のジョッキーにお集まりいただき、「世代間ギャップトーク」を繰り広げていただこうという企画です。熊沢さん、大河さん、よろしくお願いします。
熊沢 僕は「元」ジョッキーですけど(笑)。
大河 熊沢さんが2期生、佑介さんが20期生、僕が38期生ですから…。
佑介 きれいに18期ずつ離れてる(笑)。世代間ギャップトークの前に、熊沢さん、37年間、本当にお疲れさまでした。引退式の日は東京で乗っていて参列できなかったので、こういう機会をいただけてよかったです。
大河 僕は参列させていただきました。記憶にも記録にも残るレースにたくさん騎乗されてきたことを改めて知って、本当にすごい方なんだなと思いました。熊沢さんとはほとんどお話しする機会がなかったので、今日のこのお話をいただいてから、ずっと楽しみにしていたんです。
▲京都競馬場で行われた引退式(c)netkeiba.com
佑介 ああ、そうか。大河が去年デビューして以降、熊沢さんはほとんどお休みされていたから。
熊沢 2年くらい遊んでいたからね(笑)。今年も数カ月は乗ったけど、すぐにリタイアしてしまったし。あんなに長いこと馬に乗らなかったのは初めてだったから、なんともいえない期間だった。散々骨折はしてきたけどね。
──肋骨が折れたくらいでは休みませんでしたもんね、熊沢さんは。
熊沢 まぁね。だいぶ強がってましたけど(笑)。実際、そういう状況でも乗れていたからね。だからやっぱり気持ちの問題ですよ。
──鉄人にも限界があった。
熊沢 それ、好きじゃないんだよなぁ。