こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、阪神競馬場で行われる阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
継続騎乗の馬の戦績がかなり良い?
阪神JFが開催される阪神外回り1600mは、スタートから3コーナーまでと4コーナーからゴールまでがともに長く、コーナー角も緩いので枠順による有利不利は少ないコース。ただ京都競馬場改修によるロングラン開催に耐えられるよう馬場を強固に造ったからか、近年は内枠有利の傾向が出ていた。
今年は久しぶりに通常通りの開催となるのでどのような傾向になるのか読みにくいが、例年このレースは距離延長馬が勢いよく先行するが長い直線を意識してコーナーでペースが緩み、直線では上がりスピードに秀でた人気馬が差し切るというのがお決まりのパターン。そういう競馬だと枠順の有利不利は出にくいので、そこまで気にする必要はなさそう。
レースの位置付けとしては、クラシック競走が2000m以上になる牡馬の朝日杯FSとは違って、桜花賞と同じコースということでいわゆる牝馬クラシック路線の王道。強い馬がレースを選んだりせず素直に出走してくることが殆どな為、強い馬が力通りに走り堅めの結果に収まることが多い。
その人気馬の中でも明暗を左右しているのは馬体重で、2歳戦とはいえマイルGIである程度の追走力が求められる為、本質的にもっと長い距離が向いている場合が多い馬体重の軽い馬は人気に応えられない傾向。軽いカテゴリの中を個別で見ても、リスグラシューやクロノジェネシス等その後を見ても明らかにマイルが適条件ではなかったが能力が高すぎるが故に好走したパターンも多く、やはり体重が重い方がこのレース、そして同舞台の桜花賞においては信用できる。
もう一つこの阪神JF週における事情から探ると、香港国際競走とバッティングする為にジョッキーの確保が他のGIレースと比べても大変ということが挙げられ、継続騎乗の馬の成績がかなりいいレース。下のデータを同条件の全GIで均すと、複勝率は継続騎乗の方が4パーセントほど高いものの、複勝回収率ではともに79%と同じなのでやはり特異な傾向が見て取れる。
昨年リバティアイランドでこのレースを制した川田騎手は、その新馬戦が終わった時点で香港には行かないと決めたそう。その例のようにトップジョッキーが香港と天秤にかけたとしても離したくない程素質を感じていたり、陣営としても期待が高い馬程早くからジョッキーを確保していたりするだろうから、そういうところがこの成績差に出ているのではないかと推測。
今年は想定の人気どころではボンドガール・ルシフェル・ステレンボッシュ辺りが今回乗り替わり。どれも外国人ジョッキーへの乗り替わりだが、そのパターンでも近10年で(1-0-0-8)と好走したのはダノンファンタジーのみで、ウーマンズハートやナミュールといった人気馬が馬券外になっているようにやはり少し割り引いて見たいところ。