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【阪神JF・中日新聞杯・カペラS予想】来年のクラシック戦線を占う2歳GIが開幕! 東西重賞の有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2023年12月06日(水) 18時00分

難解ながら配当妙味が楽しみな2歳戦


 今週から2歳GIがスタート。キャリアの浅い馬が集まり、馬券的に困難を極めるので、配当の妙味が楽しみなレースだと思います。それと同時にPOGに参加されている方にとっては自分の指名馬が出走していれば、その走りに胸躍るレースでもあるでしょう。

 私はグリーンチャンネルで出演したPOG番組で指名した馬が2頭出走。サフィラとクイックバイオなので、抽選枠ではなく、ここまでオープンで結果を残しての出走という点が何よりも楽しみですね。ただ、美浦所属の収得賞金900万以上の実績馬がなかなかの強豪。栗東に滞在している馬もいて、楽しみながら迷っている部分もあります。

【中日新聞杯/ヤマニンサルバム】

 前走がオープン特別とはいえ、重馬場の東京芝2000mで1分58秒0。強いレースをしたことに加え、実績ある中京ということもあって、netkeiba.comの予想オッズでは単勝1番人気ですか。いや〜、これは妙味がないというか、やっぱり、みんなここに注目するんだなあという感じがします。

 調教的には1週前追い切りのCWが素晴らしい内容。道中のラップは決して速くありませんが、ゆったりとした加速で最後の直線が11.4秒から11.2秒。前走のレース内容がラップの踏み方に表れたといってもよい走りです。自分のリズムで走り切ってしまえば、ここでも通用するのは間違いありません。

【カペラS/テイエムトッキュウ】

 函館スプリントSは惨敗でしたが、京都ダート1200mの前走は決して悪くないレース。そして、今回は中山ダート1200mですから、実績ある舞台での重賞挑戦は馬券的に妙味十分といったところでしょうか。ただ、同型多数というのは展開を考える上で悩ましいところでもあります。

 調教内容としては、1週前追い切りが栗東坂路で4F52.0秒とそこそこ速い全体時計で、ラスト1Fが12.0秒。そして、最終追い切りは2F時計が好走のターニングポイントで24秒台好走、25秒台凡走ですから、今回の24.9秒。ただ、今回は4F目最速ラップを踏むことができておらず、ここはちょっと気になります。

調教Gメン研究所

カペラSに向けて調整されるテイエムトッキュウ(12月5日撮影)


【阪神JF/サフィラ】

 デビュー戦は衝撃的な不利を受けてしまいましたが、その後の未勝利できっちり結果を出します。初めての東京ではしっかりと競馬をしたものの、チェルヴィニアの2着。いろいろと良い経験を積んでの4戦目ではないでしょうか。

 1週前追い切りのCWでの動きは圧巻。いつも単走なのですが、他厩舎の馬が多い朝一番ということもあって、楽に走ることができるような環境ではありません。それでも6F77.9秒をマークしていますし、最終追い切りは坂路で4F目最速ラップ。調教としてはほぼ満点の内容だと思います。

調教Gメン研究所

阪神JFに向けて調整されるサフィラ(12月5日撮影)


【阪神JF/ステレンボッシュ】

 美浦所属馬ですが、栗東に滞在。来た当初はかなりそわそわしている印象でしたが、少しずつ、それも解消。ただ、もともと落ち着いているようなタイプではないと思うので、隊列に入って運動したりすると、首を上下したり、決して大人しいタイプではありません。ただ、馬体のスケール感は間違いなくGI級といったところ。

 それをあらためて感じさせてくれた最終追い切り。CWで友道康夫厩舎の2頭に前後を挟まれた併せ馬でしたが、3コーナーではスピードに乗って、先頭を追い越し単走。引っ掛かったのかと思いきや、ゴール前はしっかり伸びていて、そのラップは12.3秒、12.1秒。11秒台こそ踏んでいませんが、週末追い切りもそうでしたが、CWできれいな加速ラップを踏むことができること自体、高く評価したいポテンシャルの持ち主です。

調教Gメン研究所

阪神JFに向けて調整されるステレンボッシュ(12月6日撮影)


【阪神JF/アスコリピチェーノ】

 早い段階で栗東に滞在。CWでの追い切りはもちろん、坂路での追い切りも消化しており、長期滞在したことで調教内容としては大きな成果があったように思います。1週前追い切りなんて、CW6F79.3秒と速い時計をマークできています。

 ただ、少し前半で行きたがるところがあるかなと思った1週前追い。それが最終追いではちぐはぐの度合いが小さなラップになり、3コーナーから4コーナーでのギアの入り方が素晴らしくなっていました。最後まで手応えに余裕ある形で、ゴールでは僅かに先着した併せ馬。程よい負荷をかけたという印象ですから、レースが楽しみです。

調教Gメン研究所

阪神JFに向けて調整されるアスコリピチェーノ(写真左、12月6日撮影)


◆次走要注意

・12/3 ラピスラズリS【メイショウゲンセン】(2人/6着)

 レース当日の馬体重。-14キロでしたが、これは週末追い切りで速い負荷をかけず、最終追い切りで負荷をかけるという、ここ2走とは違ったパターンにしたことが要因かも知れません。ゴール寸前まで押し切るかもと思わせるポテンシャルはさすがですが、ここは調教パターンを2走前に戻して、馬体重を戻せばといったところでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]馬体重が+10キロ以上なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2000m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 先週から開幕した中京。2日目の2歳未勝利では、乗込併用の単勝3番人気がきっちり勝っており、併用系統でも追い切り本数が重要な印象を残しました。ちなみに昨年の中日新聞杯でも標準多め併用の単勝10番人気が3着。馬券的妙味はここにありそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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