障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、昨夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。
少し前からバレットへの復職を考え始めていた由紀子さんでしたが、雄造騎手の転院も決まり、一区切りがついたこのタイミングで改めて相談。
福永祐一元騎手の温かい言葉や周囲の後押しもあり、バレット復帰を決断します──。
「祐一さんは調教師試験にきっと合格する」
私がバレットへの復職を考え始めた頃は、まだ調教師二次試験の結果は発表されていませんでしたが、祐一さんはきっと合格するだろうと思っていました。
となれば、翌年の2月末で引退となり、私が祐一さんのバレットをさせていただけるのは残り3カ月。「騎手・福永祐一」を近くで見て、微力ながらもサポートすることができるのは、たったの3カ月しかないのです。
私はどうしても祐一さんのラスト3カ月を近くで見たかった。なので、一区切りついたこのタイミングでバレットに復職することを決め、さっそく祐一さんご本人と奥様の翠ちゃんにご相談。おふたりとも快く受け入れてくださいました。
そして、「無理はしなくていい。もし無理が出てきたら休めばいいからね」と、なんとも温かい言葉まで…。改めて祐一さんの優しさ、懐の深さを感じ、最後まで精一杯サポートさせていただこうと心に誓いました。
こども園の先生方やバレット仲間、そして両親が「協力するから頑張って!」と背中を押してくれたこともあり、私のバレットへの復職は12月10日に決定。落馬の日から止まっていた私自身の時間がやっと動き出すこととなりました。