【朝日杯FS予想】豊富な前進気勢をどう御すか Tマーカンド騎手の立ち回りに注目
外枠は必ずしも不利とは限らない
近年はシュトラウスのような東京スポーツ杯2歳S1800mの勝ち馬が阪神1600mの朝日杯FSには出走しない。だが、以前は同じ関東(中山)開催だったので珍しくなかった。東京スポーツ杯2歳Sの勝ち馬は朝日杯FSで通算【3-2-0-1】だ。
また、中山1600mの朝日杯FSは外枠不利だったが、コース形態が改修された阪神に移って、2015年に16頭立て15番リオンディーズ、2016年には18頭立て17番サトノアレスが勝っている。外枠不利でもない。もともと2歳戦の多頭数では、包まれて、もまれる危険がない利もある。
シュトラウス(父モーリス)の死角は行きたがる気性だが、外枠からなら途中でスペースを探して前にカベを作ることも可能になる。
シュトラウスの行きたがる気性はおそらく父モーリス譲り。父は2戦目の京王杯2歳S(R.ムーア騎乗)で激しくかかり、1番人気で6着止まりだった。
そこで、腕っぷしが強く、かつなだめるのが巧みな外国人騎手起用が多くなり、GI全6勝のうち5勝がR.ムーアなど外国人ジョッキーだった。
シュトラウスも新馬戦から「D.レーン→C.ルメール→J.モレイラ」を配し、さらに今回もT.マーカンド。結果はともかく、この依頼は理解できる。
また、かかる気性は流れの速いマイル戦なら軽減される可能性が高い。新馬戦は不良馬場の東京芝1600m。かなり楽な相手で前半スローだったとはいえ、後半3ハロンを「11秒5-11秒4-11秒6」。ノーステッキで9馬身差独走だった。
今週の美浦の坂路で楽々と50秒4の快時計で上がってきたように、2歳馬の中ではスケールは文句なし。クラシック展望の視点では、正解ではない危険もあるが、折り合いに課題のある現時点では1600mの方が合っている。
2戦目は途中で行きたがったロスが響き、ゴンバデカーブース(28日のホープフルS予定)の0秒3差3着だったが、バテたわけではない。前走はなんとかなだめが利き、東京スポーツ杯2歳Sを1分46秒5で快勝した。レースへの対応力はかなり進歩している。
シュトラウスから、ジャンタルマンタル、ダノンマッキンリー本線は崩せないが、もつれる展開で怖いのはナムラフッカー(このGIを産駒が2勝するハーツクライ、全姉アイリッシュピースの2×3)は追って味がある。