こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、中山競馬場で行われる有馬記念(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
内枠が受けられる恩恵を活かせてない
有馬記念が行われる中山2500mは外回りコースの内回りとの合流点の手前からのスタート。すぐに3コーナーに入る為外枠の馬はポジションを取りづらいコースで内枠が有利とされる。有馬記念自体、枠順抽選が大々的に行われるのもあって、年で1番枠順への関心が高いレースと言えるだろう。
ただ近年のコース成績を内枠と外枠で分けて見ると、むしろここ4年間は外枠の方が複勝率が高くなっていることが分かる。有馬記念で見ても、2018年以降要因は様々にしても差し有利の決着が続いていて、内枠が受けられるポジションの取りやすさや立ち回りの恩恵を活かせるような展開にはなっていないように、特に冬のこの時期になると馬場が荒れることも影響し内枠の利が大きい競馬にはならないことが多い。
ただ今年は気温が高い状態が続いて野芝の状態が良いからか、近年の同開催に比べると馬場が良く時計が速い状態でこれまでのレースが行われてきている印象。今週は低温が続くようなので、これがどう変化するかは要チェックだが、いずれにせよ差し馬は内枠よりは中から外枠の方が基礎期待値は高いとみている。
メンバーを見るとイクイノックスとリバティアイランドこそ出走しないが、それ以外の強豪はほとんど集まった印象で甲乙つけがたい。そんな中でも明暗を分けるのはレース間隔と考えていて、過去10年の1〜5番人気馬をレース間隔の長短で区別すると、レース間隔があいている馬がダブルスコアに近い成績を収めている。
これは秋の連続GI開催の最後となる年末に行われることから、有力馬の多くが秋にGIを使ってから有馬記念へ駒を進めてくるローテーションになり、その中でもGIで目いっぱいに仕上げた後に連戦するのは負担が大きいということだろう。
今年はジャパンC3〜5着馬がこぞって出走予定だが、特に天皇賞(秋)からジャパンCと勝負度の高いレースを連戦してきたドウデュースはその視点で考えると買いづらい馬になりそう。