良血馬多いハイレベルな2歳GI
GIに昇格して今年が7年目。年ごとにメンバーのレベルは高くなり、来春を展望する期待馬が集結する。コースも距離も同じなので「阪神JF→桜花賞」と同じように「ホープフルS→皐月賞」のローテーションも可能になった。2020年の3冠馬コントレイルがそうだった。2022年の皐月賞2着イクイノックスも、これに近いスケジュールだった。
また、まだ勝ち抜きトーナメントの中盤なので、たまたまではあるが、過去6年の1、2着馬「12頭」は、前走オープンクラスで掲示板確保か、1勝クラスの特別戦1着馬だけに限られた。
人気のシンエンペラー(父Siyouni)は、2019年の仏ダービー2100mをレコード(当時)勝ちし、翌2020年は一転、不良馬場の凱旋門賞2400mをなんと2分39秒30。極端に遅いタイムで制したSottsassの全弟。典型的な欧州血統だが、弟もパワー勝負だけでなく時計勝負もこなせる可能性がある。勝負強く、前回は馬群を割って勝った。
ゴンバデカーブースは初距離だが、目下、新種牡馬ランキング2位の父ブリックスアンドモルタル(その父ジャイアンツコーズウェイ)産駒。父はG1を5勝のうち3勝が米BCターフなど芝10F以上だった。おそらく距離は大丈夫。また、ハイレベルのサウジアラビアRCを最後方から一気に差し切った切れ味は、母の父ディープインパクト譲りだ。
もう1頭の2戦2勝馬はヴェロキラプトル。こちらは新種牡馬チャンピオン当確のスワーヴリチャードのJRA勝ち馬第一号。ゴンバデカーブースにも関係する母の父ジャイアンツコーズウェイは、G1・6勝のうち3勝が欧州の芝10F以上だった名種牡馬。
ヴェロキラプトルの母の半兄には、2012年の日本ダービー馬ディープブリランテの母の父Loup Sauvageがいる。ここまで伏兵として1800mで連勝だが、距離は流れの緩む2000m級の方が合う可能性が高い。前走1800mの最終1ハロンは12秒5だが、2歳の9月に1600m通過1分33秒5だったから仕方がない。2戦2勝馬3頭の中では人気はないが、再鍛錬の充電で馬体は二回り近く大きくなった。この馬を主軸に期待したい。
当コラムの次回更新は1月6日(土)18時予定です。