こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、小倉競馬場で行われる愛知杯(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
特徴はロングスパートになりやすい事
今年の愛知杯は阪神競馬場改修による変則日程の影響で、例年の中京ではなく小倉での施行。小倉2000mの特徴に関しては昨年の小倉記念の当コラムでも紹介したが、一つめは正面直線を一杯に使っての先行争いでペースが上がりやすい事。2つめがそこからコーナーに入って緩むものの1〜2コーナーの途中を頂点に坂を下っていくためレースの中間で緩みが発生しにくく、ロングスパートになりやすい事。
今年と同じく小倉で行われた2020年の愛知杯のラップはまさにその特徴を表しているが、先行争いでペースが上がり、向こう正面でも緩まずむしろ最終直線より速いラップで流れることも珍しくなく、この年は雨の中での開催だったこともあり外差し決着だった。
牝馬限定のGIレースは、内回りの秋華賞を除くと全て東京や京都、阪神といった主場の直線が長いコースで行われ、主に一瞬のキレやトップスピードに優れた馬が強い馬とされていくわけだが、今回の小倉2000mのような条件ではそのようなものはほぼ求められず、牝馬にとっては距離も長いので特に非主流の要素が強くなる。
前走脚質別成績を見ても、コース形態上後ろで競馬していた馬の回収率が高くなるのはある程度は当然だが、勝負になるオッズ帯の馬に絞れば複勝率でも前走後方で競馬していた馬が一番高くなっているのがその証と言える。
今回はメンバーを見ると、重賞馬はエリカヴィータのみ。3着以内実績に広げても1600mでコスタボニータ、ルージュスティリア、フラーズダルム、1800mではウインピクシスとコスタボニータ、2000mでミスフィガロと、延べ5頭にあるだけで牝馬限定のハンデ戦にしても手薄。格下の馬にもチャンスは大きそう。