『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、自身の高配当馬券を元に的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、昨年12月10日(日)のカペラステークスで大的中を遂げた「競馬AI タク」氏。大波乱となった一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!
「実力とオッズの乖離をついていく」
回収率重視の競馬予想において、最も重要視しなければいけないポイントではないでしょうか?
私の場合は、競馬AIにより各馬の予測勝率を導きだすことで、オッズと乖離している過小評価された馬を定量的に選定しています。
今回のコラムでは、AIが出す予測勝率がある程度正しいという前提で、「(1)カペラSにおける馬券戦略の解説」、「(2)AI数値からみる的中理由の深堀」を記載したいと思います。
(1)カペラSにおける馬券戦略の解説
今回のカペラSでは、10番人気のチェイスザドリームを本命にいたしましたが、AIの予測勝率は5%以上なのに対し、オッズは33.6と予測期待値は1.0を超えており、レースメンバーの中では最も「実力とオッズが乖離している馬」と判断いたしました。
その中で、馬券構成としては三連複フォーメーション、ワイドの2通りの戦略で挑んでいます。
三連複は、本命のチェイスザドリームを1列目に、予測勝率1位~2位を2列目、予測勝率1位~4位を3列目に置いた三連複5点とシンプルな構成です。
ここでのポイントは穴馬のチェイスザドリームから馬券を組み立てましたので相手は馬券内確率の高い馬で小数点に抑えることができた点ですね。
また、予測勝率2位のメタマックスも6番人気と過小評価されていましたので、予測勝率1位のリュウノユキナとのワイドも取り入れることで、期待値を取りながらも1レースでの勝ちに拘った馬券構成にしています。
(2)AI数値からみる的中理由の深堀
今回予想は本命に10番人気3着のチェイスザドリーム、対抗は6番人気2着のメタマックスにすることができましたが、正直なところ、なぜこの馬達の評価が高いのか明確にわからないのが競馬AIの弱点でもあります。
ですが、競馬AIの特徴で何の指標をどれだけ評価するのかは競馬AIごとにそれぞれですので、そこを紐解くことで的中理由も考察することが可能です。
私の構築した競馬AIはなるべく妙味を引き出せる工夫の一つとして、ラップタイムを重要視するに設計しています。そうすることにより、例えばハイペースを先行して負けてしまった馬のように、展開の不利を受けた馬の評価をあげることが可能になります。
今回のチェイスザドリームも、先行脚質の馬ですが、過去レースで着順が振るわない中にも、ハイペースの厳しい展開で残っていたことをAIがしっかり評価してくれて、今回の妙味を引き出すことができました。
また、メタマックスに関しても、前走2,3着で差しが決まる展開でも逃げ勝ち残った点で、1着の結果ながらもより大きく評価できたのだと思います。
以上より、カペラSでは妙味を引き出せた馬から、2つの馬券構成を組むことで、重賞の連続的中を達成しつつ、大きな回収を呼び込むことができました。
競馬で的中を目指したいのであれば、過去レースで好成績の1番人気から買うのが良いでしょう。しかし、年間プラス収支を目指すのであれば、不当な人気となっている馬を見つける必要があります。今回のコラムを通して、少しでも馬券妙味について深く考えるきっかけになれば幸いです。
着順結果だけで判断するのではなく、展開不利があって負けたのか、単なる力負けだったのか等、しっかりと過去レース一つ一つを吟味することが、「実力とオッズの乖離をつく」ことにつながっていくと思います。
競馬予想をする上で、他の人が調べないより多くの情報を人間にも、AIにもインプットしていきたいですね。
(競馬AI タク)
予想結果は
こちら。