障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く新連載。
転院当日の主治医との面談の中で、「騎手復帰を目指す気持ちは変わっていませんか?」という問いかけに対しきっぱりと回答した雄造騎手。
しかし翌日、子供たちとの面会を終えると小倉でのデジャヴが…?
「子供たちも早く帰ってきてほしそうだし…」
淡海医療センターに転院した当日、さっそく病室に訪ねてくださった主治医。いろいろな話をするなかで、主治医が研修医の頃に在籍していた病院に福永洋一さんが転院されてきたこと、その福永洋一さんの息子である祐一さんの元で私が働いていることなどを話し、不思議なご縁を感じました。そして、
「これもご縁なのかな。騎手はすごく危険を伴うお仕事ですよね。小倉リハビリテーション病院からは、騎手復帰を目指されていると聞いてますが、お気持ちは変わっていませんか? 大怪我をされたけど、ここまで回復できた。再びレースに乗ることに対して恐怖心はないですか? リスクはとても高い。どこを目指すかでリハビリメニューが変わるので、お気持ちを教えてほしい」
と、夫に問いかけました。
「また馬に乗りたい。復帰したいです」
はっきりと答えた夫。
「わかりました。それだけ魅力的な仕事なんですね。長い入院生活、きっと大変ですが、目標のために耐え抜いてくださいね。何かあれば、僕や療法士、ソーシャルワーカーもいますので、なんでも話してください。では、1時間後からさっそくリハビリを始めますよ。頑張ってくださいね。目指すところは高い!これから大変ですよ!」
と、激励してくださいました。
その後はソーシャルワーカーさんと面談。夫と同い年の明るい男性で、
「実は僕も数年前、病気になってしまい、2年ほど働くことができない時期がありました。だから、白浜さんのお気持ち、ご家族のお気持ちが少しは理解できるかもしれません。今はお辛いですよね。でも大丈夫。きっと道は開けます。どんな小さなことでもいいので、僕に話してくださいね。一緒に頑張りましょうね」
そう言って寄り添ってくださいました。
療法士の先生方も挨拶にきてくださり、みなさん親切そうな方々で一安心。看護師さんからは、下着等の洗濯物を本人が病棟の洗濯機を使い自分でやるのか、私が自宅でするのかを決めてほしいと言われました。