先行馬を重視した方が得策

　阪神競馬場改修による変則開催で今年の東海Sは京都での施行。京都ダート1800mのコースについては昨年のみやこSの当コラムで解説したが、他場のダート1800mと大きく異なるのが、ホームストレッチに坂がないためスタート直後に坂を上らずに先行争いが長く続きやすい事。特にクラスが上がった方が道中のペースが厳しくなりやすい為、他場に比べてクラスが上がっても上がり時計が速くならない傾向でイメージより差し馬が台頭しやすい。

　ただ今週末は雨予報で、先週までのようにタフな馬場状態にはならなさそう。メンバー的にも先行馬がかなり手薄になりそうなので、今回は素直に先行馬を重視した方が得策かもしれない。

　ダートのGII・GIII全般に言える傾向として、前走GIレース出走馬が強い事。年間2レースしかないダートのGIレース出走馬はそもそもの能力が高い馬が一堂に会して下位に沈んだ馬でも下のクラスで走っている馬より強い為、その次走で降級すると見た目の着順で過小評価されやすい。



　東海SはチャンピオンズCとの間隔が約1か月半で無理がないことから、毎年そのローテーションで出走してくる馬がおりレースの軸となっていたが、なんと今年は1頭も出走してこず。代わりに4歳馬が4頭出走を予定していて、これは過去10年で遡っても最多の頭数。人気も4歳馬が中心になりそうなので、過去の東海Sとは毛色の違うレースが見込まれる。

　ただ4歳になってすぐの時期のレースで古馬との力関係を考えると甘くなく、過去の成績を見ると厳しい数字が並ぶ。馬券になった3頭を細かく見ると、レパードSを1分50秒台の好時計で勝利し、古馬重賞みやこS・2着、OP師走S勝ちの実績があったグレンツェント、前走古馬相手にダートグレード名古屋グランプリを勝っていたチュウワウィザード。東海Sでは展開が向いた上に勝ち馬から1.4秒離されて着順ほどの内容でなかったスマハマと、それまでに古馬相手にオープンクラス以上で実績を残している馬でないと基本的には足りない。


　今年のメンバーに照らし合わせると、古馬相手にLを圧勝しているオメガギネス、OPでかなり外を回すロスがありながら3着に入ったオーロイプラータは好走の資格あり。ただオメガギネスは1番人気確実＆重賞未勝利厩舎で初の関西遠征、オーロイプラータは今回のメンバーでは脚質的にリスク大と考えると、馬券的には5歳以上の馬から入るのが定石と考える。