【AJCC予想】過去64回勝利のない8歳馬 人気を集めるベテラン勢の評価がカギ
軽視はできないが主軸抜擢も不安残す
AJCCの行われる中山競馬場には、終日「雨」の予報が出ている。さらに、ここまで64回、1頭も勝った記録がない「8歳以上馬」3頭が高い支持を受けている。落ち着いた頭数でも波乱含みだ。
AJCCに8歳以上の勝ち馬がいないのは、71回目を終えた先週の日経新春杯も同じだった。これには大きな理由がある。かつて、1970年代までは2歳から4〜5歳になるまで各馬の出走回数はきわめて多く、6〜7歳になると燃え尽きる馬が珍しくなかった。日本ダービー馬が、現在とは違って「10-15」戦のキャリアが当たり前だった時代である。とくに中〜長距離部門では8歳以上馬の台頭は少なかった。
しかし、十数年前から多くの馬が適鞍に出走を絞る手法が多くなり、休養期間の再鍛錬、調整も大きく進歩した。最近10年に限ると8歳馬は【0-0-1-19】と冴えないが、2009年から2023年までの15年間にすると【0-4-2-21】となる。さすがに9歳以上馬は苦戦だが、ベテラン8歳馬にはあと一歩で歴史的勝利が訪れようとしている。
今年は有力視される8歳馬が「カラテ、ボッケリーニ、マイネルウィルトス」の3頭もいる。
道悪を歓迎する馬は少ないが、ベテランはタフでしたたか。経験は豊富。マイネルウィルトスも、カラテも、ボッケリーニも、重馬場どころか、不良馬場で勝ったことがある。
しかし、さすがに60年以上も勝ったことがない8歳馬を主軸にするのは賢明ではないが、8歳馬全滅もない組み合わせだ。8歳馬の評価は下げないで検討したい。
その8歳馬3頭を相手本線に、上昇中の6歳馬チャックネイト(父ハーツクライ)から入りたい。ノド鳴りの手術、去勢手術を克服して、いま本物になりつつある。昨秋、重馬場の3勝クラスを脱出して、いきなり挑戦したのがGIIアルゼンチン共和国杯。小差の3着同着だったが、時計は2分30秒1。レースレコードとわずか0秒2差。2017年にアルゼンチン共和国杯を制した父ハーツクライの代表産駒スワーヴリチャードが2分30秒0だった。チャックネイトはこの距離2200m通算【2-1-2-0】。中山コース【0-1-2-0】。この相手ならある程度、先行もできるはずだ。