【根岸S予想】今年破られる可能性のある二つのジンクス
23年間牝馬の勝ちは無しだが…
根岸Sが秋の開催から春季に移ったのは、21世紀になった2001年から。それ以降23年間、「牝馬」は勝ったことがない。もうひとつ、ダートの短距離戦なので「ミスタープロスペクター系、ヘイルトゥリーズン(サンデーサイレンス)系、ノーザンダンサー系…」などと大きく分類される主要父系種牡馬の産駒はみんな大活躍しているのに、なぜか、ダート巧者の多い「ボールドルーラー(父ナスルーラ)1954年生まれ」系とされる種牡馬群からは勝ち馬が出現していない。ジンクスが2つある。
ところが今年、近年では珍しく可能性のある牝馬が2頭も挑戦する。かつ、アルファマムの父マジェスティックウォリアーも、パライバトルマリンの父マリブムーンも、種牡馬エーピーインディ(1989年)直仔。彼らの祖父は1977年の無敗の米3冠馬シアトルスルー。伝説のボールドルーラー系継続の幹になる種牡馬だ。
牝馬は勝てないでいる。ボールドルーラー(シアトルスルー)系は勝っていない。2つのジンクスが同時に破られるか、それは難しいが、可能性は十分にある。
5歳牝馬アルファマムはここまで15戦中12回も上がり最速を記録する切れる牝馬。根岸Sは「差し=追い込み」馬の台頭が目立っている。前走の霜月Sは自身の上がり3F最速タイの34秒7で勝った。4走前にも34秒7で猛然と差し切っている。2回の最速記録はともに今回と同じ菅原明良騎手だった。父マジェスティックウォリアー(その父エーピーインディ)は、セクレタリアトの「3×4」、ボールドルーラーの「5×4×5」の血統背景を備えている。
ボールドルーラー系はもう60年も前に大繁栄した父系だった。しかし近年、タピット、日本ではシニスターミニスター、パイロなどが大活躍するエーピーインディ系として、再び主流父系に甦ってみせた。
パライバトルマリンの父マリブムーン(USA)の血統背景は、ボールドルーラーの「5×4」。さらに、パライバトルマリンは父母両系ともにアメリカ血統の典型なので、過去23年間の根岸Sで最多12頭の勝ち馬を送るミスタープロスペクター系種牡馬群の、本家本元ミスタープロスペクターの「3×3」。強力な援軍を用意している。