内枠有利は最後まで変わらず？

　先週開幕した阪神開催だが、開幕週らしくフラットな馬場状態で距離ロスが少ない内を走った馬が強く、雨の影響を受けた日曜日は特に内枠の好走が目立っていた。今開催を最後に改修工事に入るわけだが、京都競馬場改修から続いた内有利の傾向は最後の最後まで続きそう。チューリップ賞の行われる芝1600m自体はフラットなコースだが、先週の競馬を見る限りではやや内枠が有利になりそう。

　牝馬クラシック路線は桜花賞までこの阪神芝1600mを主軸に行われるが、阪神JFには夏の1200mで賞金を加算したような馬が多く出走してきてペースが上がるのに対し、チューリップ賞は出走馬の多くがマイル以上を使ってきた馬になるので比較的スローペースになりやすい。昨年はモズメイメイが逃げ切りを決めたように、内が有利な馬場と相まると内先行有利になる可能性は高くなる。

　またGI前には一度使うのが当たり前だった時代は、阪神JFまでに賞金を加算した馬がチューリップ賞→桜花賞と同じコースを3度使う臨戦が王道のローテーションで、その臨戦をしてくる馬の中身は阪神JFで馬券内に入った馬が殆ど。GIで好走しているくらい能力のある馬たちだけに前哨戦とはいえどもしっかり好走して馬券内の席を埋めることが多く、過去10年で三連単の配当が4桁だったことが3度、1万円台だったことが3度と堅く収まりやすいレースだった。



　しかし表を見てもらうとわかるように、近年は本番の出走に支障がない賞金を持っている馬は前哨戦をスキップする方が多数になった分馬券内の空席ができ、ここ2年は三連単の配当が10万円超。押し出されるように重賞での好走歴がある馬が人気になるがその多くが期待に応えられずに敗退している傾向で、その分近年はピンハイやペリファーニアなど新馬勝ちからのローテーションの馬でも通用するレースになっている。



　今年は朝日杯FS3着のタガノエルピーダこそ出走してきたものの、阪神JF組はスウィープフィート1頭のみの出走でキャリア薄の馬にもチャンスがありそう。