▲今年の高松宮記念に参戦するビクターザウィナー(撮影:高橋正和)
競馬アナライザーのMahmoud氏が、独自計測データから今年の高松宮記念を徹底解説。
香港馬ビクターザウィナーの走行データから浮き彫りになった高次元のスプリント力や、その他の人気馬の不安要素などを検証していきます。
「圧勝の可能性もある」というほどの評価をするビクターザウィナー。またそれに迫ることが出来得る日本馬とは──。
※本編に掲載される個別ラップタイムや平均完歩ピッチなどは、公式発表されたデータではなく、Mahmoud氏が独自に計測しているデータであることを予めご了承ください。
(構成・文:Mahmoud)
日本のスプリンターたちより遥かに高い次元の先行力を持つ“香港からの刺客”
「電撃の6F戦」と表現されることの多い芝1200mで行われる高松宮記念。どの馬がいち早くゴール板を通過する資質を持っているのか、私が算出しているスピード指数(以降はSP指数と表記)を基に考えてみたいと思います。まずは日本の登録馬22頭の各々のベスト2をご覧ください。芝1200mに出走経験のある馬は芝1200mでのSP指数を少なくとも1レース含めてあります。
▲日本の登録馬22頭のベスト2指数を比較(作成:Mahmoud)
SP指数の値1は1600m戦における0.1秒に相当します。また、残り600m地点を基点として前半・後半のラップタイムも指数化してあります。SP指数1位はメイケイエール。抜けた値をマークしています。この2022年セントウルSくらいの走りを見せれば日本馬最先着の可能性が高いのですが、自身2位のSP指数をマークしたのも2022年シルクロードS。約1年半の間、トップ指数はおろか2位指数も更新していないので全盛期のパフォーマンスを発揮するのは少々難しいと考えざるを得ません。SP指数2位はウインマーベルで芝1400m戦の2024年阪急杯。同レース2着のアサカラキングもSP指数順位が5位となっているように、この2024年阪急杯はまずまずレベルの高いレースとなりました。問題は1200m戦への対応力。ここで芝1200m戦における前半指数トップ20をご覧ください。
▲芝1200m戦で高い前半指数を記録した馬たち(作成:Mahmoud)
2024年阪急杯で逃げたアサカラキングの前半指数はプラス14.9。前半800m=後半600mまでのラップタイムは11.90-10.60-11.40-11.40。これを芝1200m戦に換算すると前半指数は6.0〜7.0辺り。ほぼ全力で逃げた場合のテイエムスパーダほどではないものの芝1200mの常連組には全くヒケを取らないレベルであり、現状アサカラキングは除外対象ですが出走できたら好走のチャンスは十分あるかと思います。
また、同レース4番手でレースを進めたウインマーベル