▲武英智調教師との秘話に迫る(撮影:桂伸也)
去る2月18日、東京競馬場で行われたGI・フェブラリーS。このレースを制したのはペプチドナイルと藤岡佑介騎手のコンビでした。それを記念して単独インタビューを緊急実施!
インタビュー後編の今回は、ペプチドナイルを管理する武英智調教師とのタッグについて。厩舎の初GI勝利をともに挙げられた喜びは格別だったそうで、祝勝会では声を詰まらせるシーンもあったのだとか。そこにはお2人の知られざる過去の物語がありました──。
前編はこちら▼
思い描いた通りの競馬だった──ペプチドナイルと制したフェブラリーSを回顧/前編(取材・構成=不破由妃子)
「暁がみやこSとカノープスSでびっしり先行させたことが大きい」
──ペプチドナイルにとって20戦目でのタイトル獲得となったわけですが、佑介さんが見てきたここまでの過程についてもお聞きしたいです。2走前のベテルギウスSで見せた、2着のハピをねじ伏せるような勝ちっぷりがとても印象に残っています。あの一戦で得たものは大きかったのでは?
佑介 そうですね。あの競馬ができるのであれば…ということで、レース後は先々の可能性について話が広がりました。もともとベテルギウスSは(富田)暁がアメリカに行っていて乗れなくて、「スタートから出して行くのではなく、出たなりの競馬を一回やってみてほしい」とのリクエストで僕に騎乗依頼がきたんです。本当は2番手で収めたかったんですけどね。外からヒロイックテイルが割としっかりきたので、ちょっとジワッと下げる形になって。外に切り替えられなかったことも含め、思っていた形にはならなかったんですけど、59キロを背負ってすごい手応えで回ってきたので、これなら大丈夫そうだなと自信を深めたところはありますね。
▲ベテルギウスSでの勝利が自信に繋がった(c)netkeiba
──そこで得た手応えが、フェブラリーSにもつながっているわけですね。
佑介 もっと言えば、暁がみやこSとカノープスSでびっしり先行させたことが大きいと思いますよ。結果云々ではなく、あの徹底した競馬を馬が乗り越えたことで、さらに強くなったというのは絶対にある。ベテルギウスSで久々に乗ったとき、明らかに夏より自分から行こうっていう気持ちが強くなっているのを感じましたから。もし、僕がずっと乗っていたら、緩い馬だし、気持ちが昂るところもあるので、あそこまできつい競馬を馬にさせられなかったと思うんですよね。
──確かに富田騎手、スタートからびっしり出して行っていたのを覚えています。
佑介 そうそう。あの競馬が間違いなく生きている。それについては