【高松宮記念予想】豊かなスピードと力強さを兼ね備えたルガルに魅力あり
両親から受け継ぐ歴史的名牝の血脈
また今年も渋馬場は避けられない高松宮記念になった。当日が重-不良馬場だと、5年連続して「重-不良」馬場が続くことになる。スピード能力を競うスプリント戦だけに、マイナス要素も考えなければならない。
週中まで伏兵評価だった4歳馬ルガル(父ドゥラメンテ)は一気に人気になりそうだ。3歳春から芝1400m以下の短距離戦に方向転換して【2-3-1-1】。前走、1200mのGIIIシルクロードSを3馬身差で重賞初制覇を飾ったばかり。まだランキングは下だが、1200mは3戦「2、2、1」着。すべて1分07秒台であり、負けた5戦はみんな0秒3差以内なので、底を見せていない。そこに不良馬場だった3歳春の「橘S(L)1400m」を、1勝馬ながら5馬身差の独走を決めた記録が加わる。
父の代表産駒は、リバティアイランドの勝利も、タイトルホルダーのそれもマイル戦以上なので、快速馬を送る種牡馬とはいえないが、ルガルの場合は秘める血統背景の魅力が大きい。
ルガルの4代母は歴史的な名牝ミエスク(父Nureyev。1984年USA産)。英仏米で16戦【12-3-1-0】。力強さを備えたスピード型でマイル以下のG1を9勝もした。遠征した米の1987年BCマイルは1分32秒台のレコードで圧勝。しかし、英・仏中心の出走だったので、芝の重馬場や、不良馬場での快勝記録の方がずっと多い。
産駒にも豊かなスピードと力強さを伝えている。日本ではキングカメハメハの父になるKingmamboキングマンボ(1990年。USA産)がもっとも知られる直仔。そのキングカメハメハの代表産駒がロードカナロア、ドゥラメンテ。
ドゥラメンテ産駒のルガルはキングマンボを通し、その4代前にミエスクが登場する形になり、血統背景はミエスクの「4×4」。パワー兼備のスピード能力全開が期待できる。人気馬の多くは重馬場を歓迎しない軽快なスピード型だけに、人気薄の伏兵を探さなければならない。内枠は有利ではないかもしれないが、でも内は空く。マッドクールは相手に入れておきたい。