こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、東京競馬場で行われるフローラS(GII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
バイアスがかかりやすいレースということ
フローラSが行われる東京2000mコースの一番の特徴と言えば、スタート地点が1コーナー奥のポケットと特殊な位置ゆえに2コーナーまで130mほどしかないことで、当然内枠がポジションを取りやすく、外枠がポジションを取りづらい。
今回は3歳牝馬限定2000mという条件のレースだが、これまでのG1は共に1600mで行われるように牝馬の主要距離は1600mで、フローラSまでに行われる3歳牝馬限定特別戦の2000m戦はミモザ賞と忘れな草賞のみというレース体系。牡馬にぶつけていない限りは2000mの距離を経験することはほぼなく、過去10年の出走馬全体で68.6%が前走から距離延長での臨戦となっている。
各馬が距離延長で折り合いに気を遣うことに加えて開幕週で馬場状態が良いことから内前が恵まれやすく、過去10年の好走馬を見ても、4コーナーで3番手以内につけて好走した12頭の中でその後も芝重賞で活躍したといえる馬はシングウィズジョイとノームコア位。対して上がり上位で好走した馬にはチェッキーノ・モズカッチャン・シャドウディーヴァ・ウインマリリン・ユーバーレーベンなどその後重賞やGIで結果を残すことになる馬の方が多数で、馬券的にはここで能力以上の結果を期待できる先行する馬を狙うのが得策になる。
過去10年で前走初角3番手以内×今回1〜4枠の馬の成績が[3-2-1-12]で単勝回収率162%、複勝回収率174%と、単純なアプローチでもかなりの好結果になっていることからもバイアスがかかりやすいレースということ。
ただそれだけでは面白くないので別の視点から考えると、内先行有利ということはテンのダッシュや馬群で我慢するなどの立ち回り力が重要で、それが鍛えられるのはやはりレースの実戦をこなし経験を積むことが近道。過去の成績を見てもやはりキャリアの浅い馬はかなり低い成績で、その中でも前走で先行してきたような馬は壊滅的な成績で過剰人気になっていることが分かる。
ということで結論としては、キャリアを積んで成長してきた先行力のある馬、できれば内枠を狙うべきとなる。