
▲ミルコ騎手らしい騎乗の秘密について迫ります(撮影:桂伸也)
今週は騎乗に関するユーザー質問をお届け!ミルコ騎手の代名詞といえば道中での大胆なまくり。18年大阪杯のスワーヴリチャードをはじめ、数々の馬を勝利に導いてきました。
「とにかく勝ちたい、能力を出し切りたい」と語るミルコ騎手。その裏には関係者と馬への強い想いがありました。競馬ファンなら一度は見たことがある特徴的なレース運び。仕掛ける理由や条件、きっかけになった17年のレースとは──。
(取材・構成=森カオル)
Q.「ファンの間ではミルコ騎手の代名詞になっている『デムーロスペシャル(デムスペ)』=レースの途中で捲る競馬。この戦法について思っていることやレース中に考えていること、デムスペをやろうと思う場面など、デムスペについていろいろ答えてほしいです!」(フランスさん)
ミルコ デムスぺ!? なにそれ(笑)。
──途中で一気に動いていく競馬を「デムーロスペシャル」って言うんですって。略して「デムスぺ」。
ミルコ そうなの!? なんかうれしい! やっぱ日本のファンは僕に優しいね(笑)。ジョッキーたちからは、「ダサい」って言われてるけど(苦笑)。
──そうなんですか?
ミルコ そうです。「ダサいよ、よくないよ」って、けっこう言われてます。「ああいう競馬をして負けたらダメですよ」って。まぁ僕もいい競馬だとは思ってないですね。途中で動くぶん、馬は脚を使うわけだから。だから、いつもいつもできる競馬ではないですね。
──なるほど。どういうときにあの競馬を選択する?
ミルコ まずは、能力がある馬に乗っているときです。で、結果を出せるって110%信じられるとき。そういうときに動きます。もちろんリスクもあるし、負けたらダサいのもわかっているし、競馬だから負けてしまうこともあるんだけど。
──今年、デムスぺ発動から勝利につながった印象的なレースというと、すみれSのサンライズアース、弥生賞のコスモキュランダ、山吹賞のダイシンアポロンなど。確かに能力のある馬たちばかりですね。
ミルコ そうです。ダサいと言えばダサい乗り方なんだけど、僕、中途半端な競馬に終わるのが一番ヤダですね。馬主さんは誰もが期待しているし、調教師さんは一生懸命いい状態に仕上げて、結果を出したいと思っている。それなのに、能力を出し切れずに終わってしまうのは、僕にとって一番ヤダのパターンです。