帝王賞(6月28日 大井 サラ4歳以上 定量57kg 交流GI 2000m)
95年から交流GIとして定着した「帝王賞」(JRAとの交流は昭和61年〜)。以後11年、JRA側6勝(2着・6回)、地方側5勝(2着・5回)。イメージ以上に地方馬が踏ん張っている。季節の変わり目であること、大井は未経験の馬に案外厳しいコースであること。格、実績が、必ずしも額面通りには連動しない。
1番人気[5-0-2-4]。勝てないと2着もない…そういう結果が目立っている。今思うと過大評価だったバトルライン(3着=97年)、道中ノド鳴りを発症したゴールドアリュール(11着=03)。それぞれ理由は浮かぶものの、現実に過去10年間の馬単平均配当7,350円(万馬券3度)。レース自体、波乱含みと考えてやはり自然か。逃げた馬の優勝は、03年ネームヴァリュー1頭だけで、[1-1-3-6]と意外なほど分が悪い。他地区所属馬は[1-0-1-13]。メイセイオペラ(98年3着・99年優勝)を除くと、おおむね通用していない。
◎アジュディミツオー (57・内田博)
○カネヒキリ (57・武豊)
▲ボンネビルレコード (57・的場文)
△タイムパラドックス (57・安藤勝)
△サイレントディール (57・岩田)
△ヤマノブリザード (57・北村欣)
△マイネルボウノット (57・後藤)
エイシンチャンプ (57・戸崎)
冒頭にデータ風なことを記してみたが、本音をいうなら、今年はひとこと“名勝負”だけを期待している。カネヒキリvsアジュディミツオー。この2頭、ここまで武蔵野S、JCダート、フェブラリーSと、カネヒキリの3戦3勝。しかし今回はミツオーにホームの利があり、何より展開上、からんでくる同型馬が存在しない。大賞典連覇は史上初の快挙。そして今季、川崎記念→かしわ記念とGI・2勝を積み上げ、文字通り円熟期、絶頂期に達している。カネヒキリの瞬発力、勝負強さは、全盛時のアドマイヤドンをおそらく凌ぐ。それでも大井2000m、主導権を握れる限り、ミツオー優位は動かないとイメージした。
▲ボンネビルレコードは、一角崩しというよりあくまで“3番手”の意味合いだが、昨秋、黒潮盃→東京記念を鬼脚で制したアサティス産駒であること、今回叩き3戦目で良化が見込める4歳馬であること。翳りがのぞくタイムパラドックス、いかにもジリ脚的なマイネルボウノットあたりより、むしろ妙味ありと判断する。サイレントディールは前走ブリリアントS勝ちが、内田博Jの腕だけによるのかどうか。数字上にせよ当時36.6秒の爆発力を記録した。今春からJRA→佐賀転入、ダートで復活を匂わすヤマノブリザードも“3着”なら可能性を残している。大井記念快勝エイシンチャンプは、ダート2000mという条件が基本的にピンとこない。