▲ヴィクトリアマイルにコンクシェルと参戦する岩田望来騎手(撮影:小金井邦祥)
12日、ヴィクトリアマイルでコンクシェルに騎乗する岩田望来騎手。2年連続年間100勝を超え、今年35勝(4月29日時点)を挙げる言わずと知れた関西のホープです。コンクシェルとのコンビでは現在2連勝中。前走の中山牝馬Sはスピードを活かした逃げで、重賞初制覇に導きました。
今回は初コンビから1年経っての変化や、レースについてインタビュー。言葉の端々に、同馬の秘めた“ポテンシャル”が感じられます。併せてデビュー6年目の今、ジョッキーとしての“目標”も語っていただきました。
(取材・文:井上達也)
目標の存在は父・岩田康誠騎手
──デビュー4戦目の3歳1勝クラスが初のコンビ。中京2000メートルで好位から運び、9頭立ての9着でした。ファーストコンタクトの印象は。
岩田望 こんなに成長するとは当時は思わなかったですね。
──その後、アネモネSで2着。桜花賞にも出走しましたが、15着。3歳夏の1勝クラスVから2連勝しました。騎乗はされていなかったですが、外から見た印象などがあれば。
岩田望 3歳の夏から一気に良くなったかなと思います。全部が変わった感じです。
──久々のコンビとなった3勝クラスの初音Sを振り返ってもらえますか。
岩田望 東京は合わないかなと思っていたのですが、自分の競馬をしようと。ハナに行く馬を行かせて、すごくいい勝ち方ができたので。前とは離れた2番手でも折り合いがついて、この勝ち方ならと思いました。
──続いて中山牝馬S。快勝でした。
岩田望 当日、馬場も向かないかなと思っていたんです。それでも、ハナもスムーズに取れて、ペースも落とせて。3コーナーからまくってくる馬がいたけど、慌てず。最後も馬場のいいところに出してあげたら、しっかりと踏ん張ってくれたので。ハンデに恵まれたといえば、恵まれたのですが、まだ余力もあったし、いい勝ち方ができたかなと思います。
▲「余力もあったし、いい勝ち方ができた」と振り返る中山牝馬S(撮影:小金井邦祥)
──レース前からハナに行こうと思っていたのでしょうか。
岩田望 はい、そうです。
──連勝。以前と変わった点は。
岩田望 メンタル面が良くなったんじゃないかなと思います。
──この馬の持ち味は。
岩田望 長くいい脚を使えるところですね。自分のペースで行けたらしぶとい。
──いよいよヴィクトリアマイル。ここ2戦の1800メートルとは違って、東京の1600メートルです。
岩田望 1400メートルでも走っていた馬なので、マイルの距離は気にしていません。スピードを生かして自分の競馬をするだけだと思っています。
──GI騎乗は51戦。22年高松宮記念(ロータスランド)、23年秋華賞(マスクトディーヴァ)と2着が2回。同期の団野騎手がGI制覇。やはりGI勝ちは意識しますか。
岩田望 そうですね。ただ、タイミングが合わないとGIはなかなか勝てないですから。
──デビュー6年目。今年も勝ち鞍はキャリアハイのペースです。
岩田望 課題は増えましたね。勝っても(課題が)増えていく一方ですし、そのなかでひとつ、ひとつ勝って行けたらと思います。勝ったレースだからといって、毎回うまくいっているわけでもないですから。
▲今年は兵庫女王盃など既に重賞3勝の活躍(撮影:稲葉訓也)
──デビュー6年目。今までを振り返って。
岩田望 いろんなことがありましたし、いいことも悪いこともあって、今があるかなと感じます。
──父・岩田康誠騎手の存在について。
岩田望 競馬については色々と話しますね。父の期待にしっかりと応えないといけないと思っています。
──今の目標は。
岩田望 (目標は)やはり父親ですね。今年はデカいところで活躍するっていうのもありますし、いろんなことにチャレンジできたらと思っています。
▲望来騎手の年間100勝セレモニーに駆けつけた父・康誠騎手(c)netkeiba
──最後に抱負を。
岩田望 コンクシェルはまだ4歳ですし、これから成長の余地を残しています。出る以上はチャンスがあると思っています。
(文中敬称略)