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【ヴィクトリアM・京王杯SC予想】今年も上位人気での決着が濃厚? ナミュールらの調教を解説

  • 2024年05月08日(水) 18時00分

ヴィクトリアマイル出走馬で素晴らしい調教内容だったのは…


 特別登録の時点で15頭のヴィクトリアマイル。全馬が出走しても過去10年で最も少ない出走頭数になりますが、過去に16頭立ては2レースありました。それらの年は1番人気、4番人気、5番人気。4番人気、3番人気、1番人気。ということで、人気上位で決着しています。ということは、今年も上位人気での3連決着が濃厚なのでしょうか。

 阪神牝馬Sを勝ったマスクトディーヴァは最後の直線、抜け出したところでモレイラ騎手が右の手綱を握り損ねてしまいます。それが外へよれた原因だと思いますが、そんなことがありながら、2着馬とは1/2馬身差。そして、前走ドバイでの末脚が強烈だったナミュールの2頭が人気でしょうから、やっぱり人気決着ですかね。

【京王杯SC/ダノンスコーピオン】
 昨年の京王杯スプリングCは1番人気に支持されるも11着。その後は二桁着順が続いており、今回が福永祐一厩舎へ転厩しての初戦となります。昨年12月の阪神C以来となりますが、栗東での追い切り開始は3月7日。もう2ヵ月以上乗り込んでいる形となり、調教量はかなり豊富です。

 最終追い切りがDPだった前走とは違い、今回はNHKマイルCを勝った時と同じ坂路。4F目が最速になるラップを踏むこともできており、環境が変わり、この追い切り内容で近走成績を一変する可能性はあると思います。

調教Gメン研究所

近走成績を一変する可能性を見せたダノンスコーピオン(5月7日撮影)


【京王杯SC/メイショウチタン】

 スムーズな競馬だったとはいえ、新潟芝1600mでOP勝ち。もともと東京芝1400mには複勝率75%という成績を残しており、今の勢いなら重賞でも、という雰囲気は漂わせてくれています。

 中1週でも最終追い切りは坂路でしっかり時計を出して、4F目最速ラップを踏みました。調教内容としては評価できますが、問題は中1週のローテーション成績。GIで惨敗した時を除いても、未勝利とOPで結果を残すことができなかっただけに、レース間隔は気になります。

【ヴィクトリアM/ナミュール】

 昨年のヴィクトリアマイルは中13週。休み明けでしたが、追い切り本数は坂路で6本を消化して7着。その後の中2週の安田記念は16着ですから、低迷期に入ったのかと思わせるような結果でした。それが富士Sで結果を出して以降、素晴らしい成績。馬体重自体に変化はありませんが、充実した馬体は目立っていました。

 今回はドバイターフから1ヵ月ちょっとのレース。先週、栗東へ帰厩したばかりで追い切りは2本だけです。ただ、ノーザンファームしがらきでもしっかり乗っていたと思いますし、7日に坂路で馬体を確認した時は休み明けの印象はありませんでした。あとは中身の問題ですが、正直、こればかりは走ってみないと分かりません。

調教Gメン研究所

ヴィクトリアマイルに出走予定のナミュール(5月7日撮影)


【ヴィクトリアM/マスクトディーヴァ】

 デビュー戦から一貫して、1週前追い切りCW、最終追い切り坂路というパターン。これで結果が出た時、そうでない時がありますが、1週前追いのCWの時計がひとつの目安になっていることは間違いないでしょう。ローズSや秋華賞が4F54.1秒、53.9秒だったのに対して、東京新聞杯は55.6秒。この時計の違いは注目すべきだと思います。

 今回の1週前追いはCW4F52.1秒。これは過去イチ速い時計になっており、間違いなくGIを意識しての仕上げでしょう。最終追い切りは坂路で4F52.9秒をマークして、4F目12.1秒の最速ラップ。ここまで素晴らしい調教内容を評価しない理由がありません。

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素晴らしい調教内容を見せたマスクトディーヴァ(4月30日撮影)


【ヴィクトリアM/スタニングローズ】

 今回、栗東でその馬体を確認した時に今までの中で最も見映えする印象を受けました。決して太いという意味ではなく、内側から隆起したような筋肉になっており、これまでのスタニングローズとはちょっと違う印象です。

 だからというわけではないのでしょうが、坂路での追い切りの動きが後半2F、しっかりしてきました。特に前走の最終追いは時計も遅く、長期休み明けということも踏まえると、かなり微妙な状態だったと思いますが、今回は秋華賞を勝った時に近い印象。昨年のヴィクトリアマイルは12着でしたが、当時とは坂路3F目のラップが全然違います。

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秋華賞を勝った時に近い印象のスタニングローズ(写真中央、5月7日撮影)


◆次走要注意

・5/4 京都新聞杯【インザモーメント】(1人/6着)

 1コーナーでの不利によって、行きたがった部分もあったかもしれませんが、それにしても、この着順でこの着差は人気を裏切りすぎという気もします。個人的には決して距離が敗因ではないと思っているだけに、あらためての自己条件スタートで今後の成り行きを見守りたいところです。

[メモ登録用コメント] [芝長距離]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1400m>
◎調教タイプが馬ナリ平均
◎最終追い切り美W4F54.0秒以下
○最終追い切り栗東坂路
○最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ

 昨年の京王杯スプリングCは調教タイプが馬ナリ平均併用で最終追い切りが美Wで4F52.6秒をマークした単勝5.2倍(2番人気)が1着でした。2着も美W54秒以下、クビ差4着も同じですから、同じ◎なら4F時計の方を評価すべきかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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