注目したのはノーザンファーム系の関東馬の好調

　オークスは3歳牝馬限定の2400mで争われるが、牝馬限定戦に限ると古馬混合戦であってもエリザベス女王杯と新潟牝馬Sの2200mが最長距離で、世代限定戦ながら牝馬限定戦で一番長い距離という特殊な条件での施行。

　桜花賞までの牝馬クラシック路線は一貫して1600mで構成されていて、王道を歩んできた馬はすべて800mの距離延長になる。1600mのペースに慣れているし、そもそもそれくらいの距離に適性がある馬が多いので前半を突っ込んで入る形になることも多く、最後は脚を溜めていた馬が差してくる展開になりやすいレース。桜花賞が外回りに替わった2007年以降で見ても、前走で先行していた馬は人気馬でも成績が悪く、近年もハギノピリナやドゥーラなど追い込んできた馬が大穴をあけている。


　近年は、京都競馬場改修によって阪神競馬場の馬場が強固に造られていた影響で桜花賞も追走する力がかなり問われていた為、そこで好走した馬が全く適性違いとなってユーバーレーベンのような別路線組が突き抜けたり、ドゥーラのような追走負けしていた馬が巻き返してくるような結果となっていた。

　ただ今年は血統や走りからも明らかにマイラーではないステレンボッシュが差し切って優勝し、最後方付近にいたライトバックとスウィープフィートが3・4着に追い込んできていることからも近年の桜花賞よりもオークスに直接繋がる可能性は高いだろう。

　その中で注目したいのが3歳世代の牝馬におけるノーザンファーム系の関東馬の好調。阪神JFと桜花賞はステレンボッシュとアスコリピチェーノでワンツーしたのをはじめ、関東圏で行われた芝1600m以上重賞ではフェアリーSを除きすべて連対。過去の世代と比較してみても、今年は複勝率が10％近く高くなっていてとにかく走っている。


　一方でノーザンファーム系の関西馬の成績はかなりの低空飛行で、好走率も回収率も過去5年で最低の水準。今回はクイーンズウォークと同じキズナ産駒でレイクヴィラファーム生産のライトバックがそこそこ人気を集めそうだが、どんな結果になるか注目したい。