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早い時期から能力全開ハニーダンサー

  • 2006年06月27日(火) 19時10分
キングブレーヴ(牡 栗東・安藤正敏 父キングヘイロー、母ニューデイダウニング)
 「キングヘイロー×Gone West」という組み合わせで、2代母コートネイズデイは名種牡馬ブライアンズタイムの全姉という良血。父キングヘイローはカワカミプリンセス(06年オークス-GI)、ゴウゴウキリシマ(06年シンザン記念-GIII)、ニシノドコマデモ(05年青葉賞-GII・2着)など多くの良駒を送り出しており、期待を上回る成功を収めている。本馬は母系にSecretariat、Graustark、Hail to Reasonを持っているが、これはカワカミプリンセスとまったく同じ配合パターン。大レース向きの底力も持ち合わせている。


シングアップロック(牝 美浦・岩戸孝樹 父Singspiel、母アンティーケリー)
 父Singspielは現役時代、ジャパンC(GI)など4つのGIを制した名馬。種牡馬としてもアサクサデンエン(05年安田記念-GI)、ローエングリン(03年中山記念-GII)などを送り出している。母アンティーケリーはAnnaba(仏G2を2勝)、Pozarica(仏G2、G3の勝ち馬)、Anna of Saxony(英G3の勝ち馬)といった活躍馬の半妹で、3代母Anna Paolaは独オークス馬という良血。Mill Reefクロスを持つSingspiel産駒にはローエングリンがおり、また、父がIn the Wings系で、母がAnna Matrushkaの流れを汲む、という配合はAnnabaと同じ。スケールの大きさを感じさせる好配合馬だ。


トップオブザヒル(牝 栗東・大久保龍志 父フレンチデピュティ、母マミーブルーII)
 「フレンチデピュティ×Red Ransom」という組み合わせで、母はクロフネの半姉。つまり、本馬はクロフネと4分の3同血の関係にある。母はRoberto 2×4、Nearctic 4×4というクロスを持っている。フレンチデピュティはHail to Reason−Robertoのラインや、非Northern Dancer系のNearcticときわめて相性がいい。すなわち母は、フレンチデピュティと相性のいい血を強化増幅した配合となっている。仕上がりの早い芝・ダート兼用タイプだろう。


ハニーダンサー(牝 栗東・沖芳夫 父Danehill Dancer、母ハニーバン)
 父Danehill Dancerは現役時代、アイルランドのG1を2勝したスピード馬で、種牡馬としてもSpeciosa(05年英1000ギニー-G1)、Choisir(03年ゴールデンジュビリーS-G1)など南北両半球で多くの活躍馬を輩出している。大種牡馬デインヒルの最も有能な後継種牡馬の1頭で、仕上がりの早さとスピードに定評があり、05年には英・愛種牡馬ランキングの8位、同2歳種牡馬ランキングでは2位に食い込んでいる。母ハニーバンはピルサドスキー(ジャパンC、BCターフなどG1を6勝)、ファインモーション(エリザベス女王杯、秋華賞など重賞5勝)の半姉にあたる超良血。ファインモーションはデインヒル産駒なので、ハニーダンサーとは父系・母系の双方が同じ。おもしろい存在になりそうだ。


ヒラボクオウショー(牡 栗東・大久保龍志 父アフリート、母リファールニース)
 父アフリートはNijinskyを抱えた繁殖牝馬と相性がよく、過去にプリモディーネ(99年桜花賞-GI)、プリエミネンス(ダート重賞8勝)、ビッグウルフ(03年ジャパンダートダービー-GI)、リキアイタイカン(01年CBC賞-GII)、イシヤクマッハ(01年グランシャリオC-GIII)などの活躍馬を輩出している。本馬はこのパターン。全兄のビッグフリートは関屋記念(GIII)の3着馬なので、潜在能力はかなりのものと思われる。ローカルに強いタイプなので早い時期から注目だ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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