▲昨年はタスティエーラが優勝(撮影:下野雄規)
2015年以降、日本ダービーのトラックバイアスと馬場コンディションは以下の通り。
2015年(勝ち馬:ドゥラメンテ)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「超内有利・ 」
2016年(勝ち馬:マカヒキ)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「超内有利・ 」
2017年(勝ち馬:レイデオロ)
馬場コンディション「稍軽い」
トラックバイアス「内有利・前有利」
2018年(勝ち馬:ワグネリアン)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「 ・前有利」
2019年(勝ち馬:ロジャーバローズ)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「内有利・前有利」
2020年(勝ち馬:コントレイル)
馬場コンディション「稍軽い」
トラックバイアス「内有利・ 」
2021年(勝ち馬:シャフリヤール)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「外有利・ 」
2022年(勝ち馬:ドウデュース)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「 ・ 」
2023年(勝ち馬:タスティエーラ)
馬場コンディション「軽い」
トラックバイアス「外有利・ 」
馬場コンディションは一貫して「軽い〜稍軽い」の間。軽めの馬場コンディションで行われている。9回のうち5回は「内有利」もしくは「超内有利」。3回を「前有利」と判定。
「過去10年の全体」の割合ならば、内枠、内を通る馬や先行馬が恵まれるケースが目立っている。
2019年、単勝93.1倍の12番人気ながら勝利したロジャーバローズは1枠1番から先行し強気の早仕掛け。当時「ウマい馬券」にて公開した予想でもロジャーバローズを◎に推奨していたように、このレースの傾向を示す象徴的な馬だった。
しかし「2021年からは」それまでの傾向とは真逆になっている。「外有利」になったのだ。
2021年は1着馬から3着馬までが上がり1位を出した馬。6着までに入った馬のなかでは、断然人気で敗れたエフフォーリア以外の5頭が「5枠より外の二桁馬番」内を通るアドバンテージはなかった。
2022年はトラックバイアスなく全馬が力を発揮できる公平な状況。トラックバイアス判定はつけなかったが、上がり2位のドウデュースが1着、上がり1位のイクイノックスが2着。7枠より外からスムーズに運んで、直線で末脚を発揮した実力馬が順当に好走した。
2023年も「外有利」と判定。道中のペースが遅いにもかかわらず、逃げた馬と2番手以降が大きく離れて特殊なレースになったが、4番人気以下で3着内に好走した1着タスティエーラ、3着ハーツコンチェルトは6枠より外。2021年以降の3年は、それ以前のレース傾向とは真逆の決着になっている。
そして、この異変は2021年の当コラムでもすでに指摘していた。今の東京芝はグリップ性が良い路盤で軽めの馬場コンディションになると、末脚の要求度が非常に高い状況が目立ってきているため、内を通るアドバンテージはないどころか、不利にすらなり得る。今年も近3年の傾向に近いだろう。
先週のオークスも上がり1位を出した馬のワンツー。それに次ぐ上がり3位を出した馬が2着。位置取りを問わず、直線でどれだけ伸びられるかが勝負を分けていた。
今週からはCコース替わり。週末の天候も問題なさそうなので、軽い馬場コンディションが想定される。今の路盤であれば、近3年と同様の馬場状況になるだろう。末脚のしっかりしたタイプ、なかでも外枠から狙いたい。
▲ビザンチンドリームに期待したい(c)netkeiba
ビザンチンドリームの前走皐月賞はスタートで大きく出遅れ、4コーナーでも前をカットされて躓いた。スムーズなレースが出来ていないことは確かだが、これまでの2戦で見せていたような道中でかかっていくような前向きさが全くみられず、むしろ勝負所からの反応は悪かった。不利以前の問題で、馬具変更が裏目に出て、走れる態勢になかった。陣営も反省して、馬具を再変更して今回は力を発揮するだろう。
2走前のきさらぎ賞はトラックバイアス「内有利・前有利」と判定。内を通った馬、先行が恵まれたレースを外枠の後方位置取りから差し切り。新馬戦もトラックバイアス「 ・前有利」と判定。先行馬が恵まれているなかを差し切るだけでなく、そこからさらに突き放し、まだ余力もあった。
トラックバイアスが向いてないなか連勝してきていた馬で、実際の着差や見た目以上にその中身は濃い。まだまだ、この馬は能力を発揮できていない。今回はトラックバイアス含め、真の能力を発揮できる最大のチャンスである。
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