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【日本ダービー対談】シックスペンスと悲願へ──国枝栄調教師×ノーザンファーム天栄・木實谷雄太場長/後編

  • 2024年05月22日(水) 18時02分
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▲無敗馬シックスペンスと日本ダービーに挑む木實谷雄太場長(左)と国枝栄調教師(右)(c)netkeiba


“ホースマンの夢”と言われる日本ダービー。これまで数多くの名馬を手がけてきたトップトレーナー・国枝栄調教師にとっても悲願のタイトルです。

国枝師が定年までに挑戦できるのは残すところあと2回。「アーモンドアイが出ていれば…」という思いも胸の奥にしまい、農工大コンビでシックスペンスとの日本ダービー制覇に挑みます。

「大学の先輩と後輩」であり、「調教師と牧場長」という関係性でもあるお二人。20年間、時にはチームとして、時には好敵手としてトップ戦線で戦っているお互いへ伝えるメッセージとは──。

前回はこちら▼
“東京農工大学の先輩と後輩コンビ”ステレンボッシュとオークスへ挑む/前編

(取材・文:松山崇)

三段論法ならアーモンドアイはダービー馬──「でも、今年勝てばいいんです」


──お二人のタッグでの最高傑作といえばアーモンドアイだと思います。この馬についてもお聞かせください。

国枝 普通は「今回はこういう課題があるけどどうかな?」なんて思いながら「勝って良かった!」となるものだけど、アーモンドアイの場合は、チャレンジした段階で、だいたい勝算はあったものね。そういう意味では、最初からレベルが違っていたと思います。

木實谷 デビュー前の、牧場でやるレベルの段階としては何も言うことなかったですね。

国枝 厩舎に来たらウッドコースでキャンターをやるんだけど、全く動きが違っていました。「こんな馬いるんだ!」という感じ。

木實谷 一つだけ思うのは、デビュー戦ですよね。ロードカナロアの初年度産駒だったので、まだ適性を掴みかねていて、1800mの番組には既にルメール騎手で使う馬が決まっていたこともあって1400mでのデビューとなったのですが、あの敗戦がちょっともったいなかったな、と。

国枝 そうだよね。負けるとすれば前の馬を差し損ねるパターンだと思っていたけど、その通りになっちゃった。ただ、終いの脚は凄かったので、能力は再確認できました。

木實谷 新馬戦を勝っていたら阪神JFも勝って、GIをもう1勝上積みしてGI・10勝馬になっていたでしょうね。

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▲新馬戦を勝っていれば、アーモンドアイはGI・10勝馬となっていた…?(撮影:下野雄規)


国枝 ほんと、そうだよな。

──1600m、2000m、2400mでGIを勝利。1600mと2400mでレコードも記録しています。

木實谷 普通に考えたら3階級でのGI勝利というのは、とんでもないことなんです。能力がズバ抜けていたとしか言いようがないですね。

国枝 もちろんどのカテゴリーにも勝算があって挑戦しているのですが、その期待を超えて、レースの度に「え? こんな競馬できちゃうの?」「こんな競馬できちゃうの?」の連続だったように思います。

──アーモンドアイといえば、初仔のアロンズロッドが入厩しましたね。

国枝 いいですよ。ゲート試験にも合格しています。厩舎に入ってからも筋肉が付いてきて、見た目もどんどん良くなって、飼い葉も食べられています。あとは来週ルメさん(ルメール騎手)が乗ってどうコメントするか。あれだけの良血馬が今の時期に(デビューに向けた)レールに乗っている時点で楽しみは大きいですよ。

──話をアーモンドアイ自身に戻します。先日行われた「アーモンドアイJRA顕彰馬祝賀トークショー」では、国枝先生から「(ダービーに)できれば出したかった。出てたらダービーを勝てたと思う」というコメントも飛び出しました。

国枝 こんなことを言っては

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