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【日本ダービーなど予想】無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノの仕上がりは?出走馬の調教内容ジャッジ

  • 2024年05月22日(水) 18時00分

推進力のある走りは今が最高潮


 さあ、いよいよ日本ダービー。今年は現地観戦が叶わず、別の場所から日本ダービーを観ることになりますが、日本ダービーに関連したお仕事をさせていただいているのは有難いこと。昨年の2歳新馬から丸一年の集大成がここにあるといったレースですから、自分にとっては一番好きなレースであることは変わりないですね。

 好きなレースだからこそ、的中させたいという気持ちはありますが、これこそ「運」の領域なのかなと思っています。現地観戦したキズナやワグネリアンはもちろん、モニター越しだったシャフリヤールやドウデュースはみんな、振り返ってみると「よくぞ勝ってくれたよなあ」という魂のこもったレースだったような気がします。そういった意味では後悔しない馬に本命を打って、あとはその陣営に託す。そして、レース当日を迎えることができれば、と思います。

【葵S/エトヴプレ】

 前走桜花賞は初めてのマイル。それでも5着と掲示板を確保する走りができたのは、基本的な能力値が3歳牝馬の中で高いからだと思います。今回は牡馬混合になりますが、距離は1200m。前走の疲れさえなければ、ここであっさりと結果を出す可能性が高いと思います。

 1週前追い切りが坂路で4F52.8秒。3歳未勝利を追走して先着していますが、この内容はフィリーズレビューを勝った時と同じ1週前追い切り。フィリーズレビューが休み明けだったことを思うと、今回は中6週というレース間隔でしっかり負荷をかけたわけですから、前走の疲れや反動はないと判断してよいでしょう。

調教Gメン研究所

しっかりと負荷をかけられたエトヴプレ(5月14日撮影)


【目黒記念/サトノグランツ】

 菊花賞の10着はどうにも不可解な印象しか残りませんでしたが、そこからレース間隔をあけた日経新春杯で3着の復調を見せて、カタールでも3着という結果はこれからの上昇を期待させてくれる内容だったと思います。

 今回は海外遠征帰りになりますが、CWでの追い切りがかなりしっかり動くことができています。特に1週前追い切り、3歳馬2頭との併せ馬を最後方から追走しましたが、すごく手応えよく最先着しました。ラスト1Fが10.9秒でラップ自体も素晴らしい数字でしたし、日経新春杯の1週前追い切りよりも動けていたという印象です。

【日本ダービー/ジャスティンミラノ】

 無傷の3連勝で皐月賞馬となりましたが、さすがに初めての中山では苦戦するだろうというのが個人的な予想。実際、3コーナーから4コーナーでは加速に手間取っているわけですから、それでも最後の直線に向いてからの伸びは素晴らしかったと思います。CWでの追い切りでもコーナーで加速することは得意ではないと思わせる馬ですから、1週前追い切りも少しはその影響があったように思います。

 それでも10.9秒から11.3秒。2Fの時計は速かったですし、2週前追い切りで感じた、推進力のある走りは今が最高潮だと思います。最終追い切りの坂路では単走でしたが、前半をゆったり入って、3F目区間でしっかり加速して、4F目12.1秒の最速ラップを踏みました。数字だけでは分からない迫力、ぜひ調教映像で確認していただければと思います。

調教Gメン研究所

推進力のある走りは今が最高潮なジャスティンミラノ(写真左、5月15日撮影)


【日本ダービー/シンエンペラー】

 1週前追い切りのCWでの併せ馬。ミスタージーティーに先行していましたが、前方には同厩舎の2頭併せが先行していたため、最後の直線では4頭が横並びになるような状況。ですから、シンエンペラーにとっては両サイドに馬がいる状況から抜け出すような、しっかり負荷がかかるシチュエーションでもありました。

 そこから抜け出して伸びたのはよいと思いますが、追い出してから頭が上がるのは相変わらず。ただ、それでもここまでの成績を残していますし、今回はレースが左回り。最終追い切り坂路での動きを確認できていないので、それを映像で注視してから最終判断しますが、左回りは右回りよりもしっかり走ることができるんじゃないかと思っています。

調教Gメン研究所

追い出してから頭が上がるのは相変わらずのシンエンペラー(5月21日撮影)


【日本ダービー/シュガークン】

 1週前追い切りはCWでの併せ馬。楽に先着したようにも見えますが、相手が少し加減していたような感じもあり、ゴールを過ぎたところでは相手の勢いの方が勝っていました。ただ、数字としては2F22.0秒が出ていたわけで、特に減点するようなところもない動きだったと思います。

 最終追い切りは前走と同じ坂路。そして、前走と同じ4F目が最速になるラップを踏むことができませんでした。1週前も最終も決して不足があるわけではないのですが、大一番の日本ダービーということを考えると、前走から上昇するという目新しい材料がないというのはどうなのかなという気がします。

調教Gメン研究所

前走のような最速ラップを踏めなかったシュガークン(5月21日撮影)


◆次走要注意

・5/19 オークス【ラヴァンダ】(12人/11着)

 レース間隔が詰まりましたが、パドックでは落ち着きもあって、素晴らしい状態。4コーナーから最後の直線に向いた時は「オオッ」と思いましたが、そこからの脚は距離が長かったという内容でした。2000m以下なら重賞で勝ち負けできるレベルにある馬なのは間違いないと思うので、今後も注目すべき馬だと思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝2400m>
◎追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切り坂路馬場4F目最速ラップ
○最終追い切り美W馬なりラスト1F最速ラップ

 併用系統の調教タイプが重要なのは先週のオークスの結果を見ても間違いないでしょう。あとは○の2種類。坂路が重要なのか、美Wが重要なのか。先週はトラックWが1着から3着を独占していますが、ペースが落ち着く日本ダービーは坂路が有利。ということで、お天気や枠順なんかも関係してきそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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