【安田記念】18年ぶり香港馬の優勝か、迎え撃つ日本勢か
過去の実績から来日馬の評価は下げられない
これまでに外国馬が3勝している安田記念だが、そのうち香港馬は2勝2着2回と走っている。1998年に8番人気のオリエンタルエクスプレスが2着に、2000年に10番人気のフェアリーキングプローンが1着になって親近感を覚えたものだった。そして、2006年3番人気ブリッシュラックが1着、2008年5番人気アルマダが2着と、来日馬にはそれなりの評価を下すようになっていた。
スプリンターのレベルが高いことは知られているのだが、それを立証するようにスプリンターズSでは3度、高松宮記念では1度優勝馬を出していて、来日馬がいれば、一応マークするのが無難と言える。
日本から見ても、香港は近いし、馴染み深い国際レースが多い。今年遠征してきたロマンチックウォリアーはG1・7勝の香港の中距離王者だが、この中に香港C制覇、クイーンエリザベス2世C3連覇が含まれていて、日本馬との対戦もある。目下、G1・4連勝中だが、この中で世界トップクラスの評価を万全なものにしたのが、豪州のG1コックスプレートの勝利になる。1200米から2400米まで幅広く結果を出してきているが、東京のマイル戦は、中距離適性がもとめられるので、18年ぶりの香港馬の優勝もあるかもしれない。
迎え撃つ日本勢は、多彩な顔ぶれだ。
安田記念は、このところ6年連続で牝馬が連対している点と、リピーターの活躍が目立っている。最近では牝馬ならソングライン、牡馬ならシュネルマイスターといった強豪がいたが、これらがターフを去ったことで絶対王者不在の状況と言っていい。その中で目を付けたいのが、まず、ヴィクトリアマイルからの転戦組の2頭、フィアスプライドとナミュールだ。
この2頭では、昨秋マイルCSでGIを勝ち、香港マイル3着、ドバイターフ2着のナミュールの末脚を評価したい。前走のヴィクトリアマイルはスタートで待たされ、出遅れて心身のバランスを崩し8着に終わっていたが、ベテラン武豊騎手でスムーズに走れれば巻き返してくれると見た。
リピーター組からは、安田記念3年連続出走になるセリフォスに注目している。3歳時は4着、昨年が2着とコース適性の高さは、富士Sの勝利も含めて、相当なものと評価したい。昨年はドバイからの帰国初戦だったが、今年は4か月半ぶりのマイラーズC2着とローテーションにゆとりがある。この馬も2年前にマイルCSでGI馬になっている。
その他では、馬場状態によって異なるが、きれいな馬場の場合は、しまいが武器のレッドモンレーヴを。前走は連覇を狙った京王杯SC1400米だったが、ハナ差の2着。昨年の6着時より力をつけてきた。そしてもう1頭が、やや重のマイラーズCを勝ってここに臨むソウルラッシュだ。これまで安田記念は13着、9着と振るわなかったが、競馬の幅が広がり展開に左右されない強味が出てきた。
「これからは BCマイル 視野に入れ」