こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、函館競馬場で行われる函館スプリントステークス(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
複勝回収率は年齢を重ねるごとに上がっていっている?
今週からはいよいよ夏の訪れを告げる北海道開催が開幕。函館といえば平坦小回りというイメージが強い方も多いと思うが案外道中はアップダウンがきつく、芝1200mはスタートから3〜4コーナーの中間にかけて断続的に上りが続く。
その割には同じく前半に上りがある京都が前半3F平均34.1秒なのに対し、函館は平均33.9秒と速くなっている。同じく洋芝でこちらは平坦な札幌が平均33.95秒なことを考えても前半の負荷が高くなりやすいコースといえ、直線の短さの割には先行馬に取って楽ではないコース。
開幕週は例年時計が速く、函館スプリントSも近年は7秒台中盤よりも速い時計で決着。開幕週に限った枠順別成績を見てみると1枠の成績が飛び抜けて良く、時計が速い分ラチ沿いで最短距離を走ることの優位性が高いことが読み取れる。ただ直線が短い為どうしても内を捌く難易度は高く、毎年のように内で何もできずに終わる馬が発生するので外をスムーズに回った差しも決まることが多い。
今年のメンバーを見ると、除外対象のスコールユニバンスを除いて牝馬の登録馬が3頭だけと少ない。2014年以降の古馬混合芝1200m重賞で牝馬の出走が3頭以下だったのは103レース中8レースだけ。フルゲートのレースに限ると4レースだけと、牡牝の差がほぼないこの条件としては割と珍しい状況。
そこで古馬混合芝1200m重賞における牡・セン馬の考えとして個人的に有効だと考えているのが、どちらかというと若い馬よりも高齢馬の方を評価するということ。データで見ても好走率は4歳がトップだが、複勝回収率は年齢を重ねた方が上がっていっている。
この考えの要因は大きく二つあり、一つ目は牡馬の能力が高い馬は基本的に日本ダービーの芝2400mを目標に馬が造られるので、実は短距離に適性があった馬でも使うのが遅れがちという事。二つ目が直仔で芝1200mGIを複数勝利したのは牝馬のビリーヴだけと短距離適性が高くないサンデーサイレンスの血を持った馬が殆どなので、牡馬に関しては年齢を重ねて緩さが抜けて筋肉が硬くなった方が短距離適性に関しては高くなる馬が多いという事。
今回のレースも4歳馬が人気を背負いそうだが、高齢馬の活躍にも期待してみたい。