上位評価3頭で決着
『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、会心の的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、NHKマイルカップを的中させた「仲真司」氏。波乱となった一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!
対象レース:
2024年5月5日(日)東京11R NHKマイルC 皆さんこんにちは。仲真司です。本コラムは毎週見ていたので、こうやってお声掛けいただき嬉しく思います。本コラムでは、NHKマイルC的中に至った考え方、NHKマイルCの結果から見た次走注目馬など記載していますので、最後までご覧いただけますと幸いです。
「仲真司」氏
今回、5月5日に開催されたNHKマイルCを、
1着〇ジャンタルマンタル
2着◎アスコリピチェーノ
3着▲ロジリオン
で的中することができました。
今回、ジャンタルマンタルとアスコリピチェーノから3連複2頭軸で的中することができましたが、最初に私の馬券に対する考え方からお話しできればと思います。
まずは、今回のメンバーを見て、ジャンタルマンタルとアスコリピチェーノの2頭の力が抜けているなと思いました。2頭をなぜ評価したかについては追って解説しますが、本来、人気馬2頭に人気が集中していたら、馬券妙味を求めて他の馬に目移りしませんか?
私の調子が上がらなかった時がそのパターンで、いかに人気薄の穴馬を探すかに主眼を置いてしまい、穴馬から馬券を買っていました。
ただ、レースで1人気馬が馬券に絡む確率は64.7%(過去3年全レース集計)と高く、約3レースに2回は馬券に絡むため、人気だからといって馬券から外すと的中から遠のいてしまいます。
もちろん、穴馬が馬券に絡めば一発は大きいですが、穴馬(単勝オッズ50倍以上)が馬券に絡む確率は約6レースに1回と低く、その荒れた時にしっかり穴馬を拾えるとも限りません。
私自身、いかに穴馬を探すかというよりは、いかに軸馬をしっかり選べるかが大切だと考えており、今回のNHKマイルCでも人気馬をしっかり評価できたことが的中に繋がったと思っています。
ここからは、NHKマイルCのレース前の印象と、レースを振り返ってのお話しをさせていただければと思います。
1.レース前の印象(馬場・展開編)
今開催の東京競馬場芝コースはAコース3週目で差しも決まってくる頃でしたし、前日のプリンシパルSでは前半1000m61秒6のスローペースでもしっかりダノンエアズロックが差し切り勝ちを決めており、実力のある馬ならしっかり差し切れる馬場と見ていました。
また、NHKマイルCは、レースの性質上、
(1)日本ダービーやオークスには距離不安があって参戦してくる馬が多い
(2)3歳春はスプリントGIがなく、スプリンターも参戦してくる
ことから、ペースが流れやすいのが特徴です。
過去のラップ傾向を見ても、NHKマイルCは古馬マイルGIのヴィクトリアマイルや安田記念よりも、前半3ハロンまでのペースが流れていることが分かります。
「直線が長く差し有利の東京芝1600m戦という舞台に加え、「Aコース3週目」「ペースが流れる」ことを考慮すれば、実力のある差し馬はしっかり好走してくるだろう」と考えていました。
2.レース前の印象(馬編)
そして、◎アスコリピチェーノ、〇ジャンタルマンタルは人気馬ではありましたが、以下の理由で馬券内に絡む可能性は極めて高いと思っていました。
◎アスコリピチェーノ
・勝った阪神JFが、翌週の朝日杯FSよりタイム指数が高く出ており、現3歳の牝馬路線はメンバーレベルが高い。
・2000m以上で成績を落としているダイワメジャー産駒とあって、オークスには目もくれず、適性の高いマイルに照準を合わせてきている。
・気性が良く、精神面がどっしりしているため崩れにくい。
〇ジャンタルマンタル
・前半1000m57秒5のハイペースだった皐月賞を早め先頭から、勝ち馬と0.1秒差まで粘りかなり強い内容。
・一方で、前半1000m62秒7の超スローペースだった共同通信杯で、皐月賞馬ジャスティンミラノに次ぐ2着で、展開問わずしっかり力を出し切れる。
・レース中行きたがる面があるので、距離適性の高いマイル路線を選択してきた。
・高野厩舎は坂路主体の調教で、短距離・マイルに仕上がりやすい。
人気馬が絡んだら馬券妙味は薄いのではないかと考えられがちですが、例え人気馬2頭が絡んだとしても、3連複なら、(相手が人気馬の場合は)相手の点数を絞ったり、他の人気馬を軽視できることで、十分な配当が得られます。今年のNHKマイルCの3連複も25.4倍つきました。(ロジリオンより人気していた9人気シュトラウスと、アスコリピチェーノ、ジャンタルマンタルの3連複で36.4倍あったのは、あれ? といった感じでしたが)
今回は、1桁人気だった3人気ボンドガール、4人気ゴンバデカーブースを軽視できたことも良かったと思います。
消 ボンドガール
・初戦は後のオークス馬チェルヴィニアに勝っておりタイム面からもレースレベルの高さは明白だったが、2戦目のサウジアラビアRC、3戦目のニュージーランドTと、レースを重ねるたびにパフォーマンスを落としていた。
・早熟のダイワメジャー産駒にはありがちで、初戦は完成度の差で強いパフォーマンスを見せたものの、それ以降は成長曲線が緩やかで、初戦のインパクトが先行して過剰人気になっていた。
消 ゴンバデカーブース
・サウジアラビアRCではボンドガールに完勝しており素質は高い。
・ホープフルS取消後でとても順調とは言えず、本来調教駆けする本馬が、サウジアラビアRCとは別馬のように動けておらず完調前。
一方で、10人気の▲ロジリオンには以下の理由で厚めに張ることができました。
▲ロジリオン
・前走のファルコンS(5着)は、直線壁になって追い出せず度外視できる。また、ファルコンSの勝ち馬は、2走前のクロッカスSで負かしたダノンマッキンリーと、不利がなければ勝ち負けまであった。
・クロッカスS、京王杯2歳Sは速い時計の決着で、前が止まっていないラップながらも、追い込んできて勝ち負けに食い込んでおり強いパフォーマンス。
3.レースを振り返って
結果は、前半1000m58秒3なら例年より若干ペースは緩んだかなと思いますが、1着馬ジャンタルマンタルと、2着馬アスコリピチェーノは力が抜けていたと言えるでしょう。
アスコリピチェーノはジャンタルマンタルとの着差が2+1/2馬身差でしたが、直線壁になってブレーキをかける不利がなければ、もっと際どかったかと思います。
そして、3着馬ロジリオンは、好位からロスなく立ち回った戸崎騎手の好騎乗で、ラスト1ハロンで脚色が鈍っていたことからも、ベストは1400mかなという印象を持ちました。
今回負けましたが次走以降注目したいのは、2着馬アスコリピチェーノはもちろん、4着馬ゴンバデカーブースや7着馬ディスペランツァです。
後方集団から上位に加わるのは厳しいラップでしたが、ゴンバデカーブースはあの出来で差してきてこれだけ走れたら評価できますし、ディスペランツァは直線壁になって追えずラスト100mで前があいてからはしっかり伸びており次走以降に注目です。
以上が、私のNHKマイルCの振り返りとなります。
4.最後に
予想家活動を続けて、はや5年が経ちました。日頃から予想をご覧いただいている皆様のお陰で、頑張ることができています。本当にありがとうございます。新馬戦や2歳戦は個人的に得意としているレースでもあるので、今からPOG本片手にウズウズしています(笑)
また、最近は長年の友人とYouTubeチャンネルを開設しようという話になり進めているところです。(まだ色々と検討中ですが)X(旧Twitter)の方で告知させていただきますので、よろしければフォローいただけると嬉しいです。
「仲真司」氏のXアカウントは
こちら。 長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。6月以降の競馬も一緒に楽しみましょう!
(仲真司)
今回解説の予想結果は
こちら。