▲さきたま杯に挑むレモンポップのトモに注目(撮影:下野雄規)
JpnI・さきたま杯に参戦するレモンポップ。netkeibaでは、走る度に注目を集める“大きなトモやお尻”について、田中博康調教師にインタビューを行いました!
実はインターネット上で話題になっていることは、師もご存知だったそう。デビュー前から“プリップリ”だった馬体の進化や、筋肉の質、好きな食べ物など、様々な角度から伺いました。ムキムキな体の“秘密”がついに明らかに...?
(取材・文=和久時秋)
大きな体のレモンポップ 実は...「モリモリ食べるわけではないです」
──デビュー前に感じたレモンポップの馬体やトモの印象はどうでしたか。
田中博 初めて見た時から2歳離れした馬体でしたよ。プリップリで。今ほどメリハリはついていなかったですけど、逆に当時は今ほど硬くなかったですね。新鮮な感じがありながら、すごく筋骨隆々な馬でした。
──トモも2歳離れしていたのでしょうか。
田中博 そうですね。シルエットは今の方がたくましいですけど、馬自身が持っているものとしては2歳の頃から変わっていませんね。当初から“ザ・ダート馬”みたいな馬体をしていました。
──1年の休養を経て始まった快進撃。休養明けでの変化はあったのでしょうか。
田中博 体質自体は強いのですが、若い頃は脚元も含めてまだ弱さが残っていました。もしかしたらカトレアSを勝った後にそのままレースを使っていたら、どこかのタイミングで故障していたかもしれません。レースになると、仕上がり以上に一生懸命に走ってしまう子なので、ダメージも残りやすかったと思いますから。そういった意味でも馬の将来的なことを考えると、あそこで1年休めたのは良かったのかなと思っています。
▲有意義な休養期間を経て始まった快進撃(写真は22年5月、撮影:下野雄規)
──マイル、1800mを克服してGI制覇。充実期を迎えた今の馬体やトモの印象は変わっていますか。
田中博 馬体はやっぱりたくましくなってきましたよ。フェブラリーSが終わってドバイに行って、夏を越えて…。特に去年の夏を越したあたりから前駆がすごく発達しました。トモはもともとすごかったですけど、肩まわりや胸の筋肉といった部分が随分と変わりましたね。
▲トモだけでなく前駆も「すごく発達しました」(ユーザー提供:のかげさん)
──注目を集める筋肉量だけでなく、筋肉の付き方や骨格のバランスなどで優れているポイントはありますか。
田中博 あれだけの筋肉で覆われていますけど、筋肉量の割に触った感じは硬くありません。動きは硬いのですが、筋肉の質という部分で違いを感じます。ただ、けっこう傷みやすいですね。ダートの中距離馬は筋肉を触っていても、(傷みの)反応が出てこない馬が多いなかで、この子はけっこう傷みます。そういう意味でも他のダート馬とは少し違っています。
──骨格のバランスは他の馬と比べて優れていると感じますか。
田中博 肩の傾斜や、トモの関節のバランスはいいと思います。歩様の硬さはあるのですが、シルエットの形としてはやっぱりいいですね。2歳の頃はトモがすごく高かったのですが、去年の夏を越したあたりから前駆がグンと起きて、馬体のバランスが良くなりました。
──安定したスタートやスピードと、発達したトモの相関関係はあるのでしょうか。