こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、京都競馬場で行われる宝塚記念(GI)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
阪神と京都の大きな違いとは
ディープインパクトが勝った2006年以来の京都開催となる今年の宝塚記念。阪神と京都の芝2200mコースで一番大きな違いがどこかというと、1コーナーまでの距離だろう。阪神2200mは1コーナーまでに525mあるのに対して、京都2200mは400mと100m以上短くなっている。
競馬という競技は隊列の決まる最初のコーナーまでの距離がペースに反映されやすい為、現に過去の10年の良馬場の阪神2200mで行われたG1の前半3F平均が34.9秒、5F平均が59.9秒なのに対し、同じ条件の京都2200mだと前半3F平均が36.4秒、5F平均が61.5秒と1秒以上遅い。
今年のメンバーを見ても全くの逃げ馬不在、先行馬と言えるのもディープボンドとべラジオオペラくらいで、ペースが流れるところはあまり想像しにくい。
そうなれば京都外回りらしく上がりの速い決着になると想定できるが、梅雨時らしく天気予報を見ると週末にかけて雨が続く模様。どこまで時計が掛かるかが不透明で何とも言えないが、それでも例年の宝塚記念のようなタフなレース質にはならない可能性が高く、能力が素直に反映されやすいので人気馬には追い風になりそう。
また宝塚記念というと他のGIレースのシーズンから外れた初夏に行われ、暑さや馬場の悪化を懸念して出走しない有力馬の陣営も多い。2017年には単勝1.4倍の支持を受けたキタサンブラックが謎の大敗を喫したことがあったが、今考えれば軽い熱中症だったんだろうし、大型牡馬にとっては時期的に状態を整える難易度が比較的高いレースといえるだろう。
牡馬がパフォーマンスを落としやすい分逆に牝馬にとってはチャンスが大きいレースで、芝1600mより長い距離のGIの牝馬の成績を比較しても、宝塚記念が一番の好成績となっている。
今年はルージュエヴァイユが紅一点での出走。人気上位の2頭が強いのは間違いない所だが、エリザベス女王杯で2着に入った舞台でもあり、馬券内に滑り込むチャンスは十分あるだろう。