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最後の日は「泣かんように頑張る(笑)」JRAを離れる前に“話せて嬉しかった”関東のジョッキーとは?

  • 2024年06月18日(火) 18時01分
太論

▲小牧太騎手が披露した京都競馬場でのエピソードとは?(撮影:大薮喬介)


今週で4回京都開催も終わり。小牧騎手にとっても、京都での騎乗は今週が最後となります。来週からは夏の小倉が始まりますが、その3回小倉がJRAジョッキーとしての最後の開催に。

現在、エージェントの浄閑さんとともに営業活動に力を入れているそうで、“JRAジョッキー・小牧太”のドラマチックなラストスパートが見られるかもしれません。そして今週の『太論』では、小牧騎手が「ちょっとうれしかった」という“ある人気ジョッキー”とのエピソードを披露。今村聖奈騎手に続く「隠れ太論ファン」現る!?
(取材・構成=不破由妃子)

来週からの小倉開催が本当に最後「中京記念に乗れたらいいなと思って…」


──先週は、日曜日の京都10R(天橋立S・ダ1800m)でゼウスバイオ、京都12R(3歳上2勝クラス・ダ1800m)でワンダーブレットに騎乗。ともに9着という結果でしたが、どちらも上積みがありそうな走りでしたね。

小牧 そうやね。ゼウスバイオは、水曜日に僕が乗って追い切ったんやけど、どうにも息遣いが悪くてね。重たいなぁと思いながら乗ってたんですわ。だから、無理をしたら止まるんちゃうかなと心配してたんやけど、最後まで止まらなかったね。

──前走から+4キロの530キロ。キャリア最高体重での出走でした。

小牧 ああ、やっぱり。ただ、走りそうやで、あの馬。次走もう一度乗せてくれたら、もっといい競馬ができると思う。なんせもうちょっと絞れてこないとね。とにかく太い。あの息遣いじゃ厳しいわ。

──体の重さと息遣いは関係ありますもんね。

小牧 あるある。全然ある。それでも、絞れてくればいい勝負ができそうなポテンシャルは感じたよ。ワンダーブレットは、状態はすごくよかったんやけどなぁ。頭を振ったところで(スタートが)切られて、ちょっと出遅れてしまった。スタートで抜けられれば、一か八か、ハナに行こうかと思ってたんやけどね。

──実際は後方2番手から。出遅れた時点で、腹を括ったのかなと。

小牧 中に入ったら嫌がるんで、後ろでジーッとしておきました。まぁペースを考えたら頑張ったかな。しっかり追ったし、次につながる競馬はできたと思う。次は小倉やね。たぶん入るやろ。

──さて、4回京都は今週で終わり。小牧さんにとっても最後の京都になります。

小牧 うん。もしかしたら、1頭入るかもしれん。宮本厩舎のテクノドラゴンという馬で、先週も僕で入れてくれてたんやけど、除外になってしまって。だから、今週は入ると思うわ。

──2走前の新潟ダート1800mで3着にきている馬ですね。

小牧 そうやねん。走るって言ってた。僕にとって今週は最後の京都になるから、なんとか抽選を突破してほしいね。来週からの小倉開催が本当の最後になる。「最後だから乗せてください」って僕もいろんな人にアピールしているし、(エージェントの)浄閑さんにも頑張ってもらっているところです。7月21日に中京記念があるでしょう。なんとか乗れんかなぁと思ってるんやけど。

──最後の重賞でドラマが起こるかもしれない。

小牧 ねぇ、起きたらいいんやけど。最後の日は、「JRA辞めるのやめます」って言いたくなるくらいの日になればいいなぁ。まぁとりあえず、涙は見せんようにするわ。

──小牧さん、絶対に無理ですって。

小牧 そう? だって、引退するわけじゃないんやから。

──そうですけど、そこは“泣き虫ジョッキー・小牧太”ですよ。絶対に泣きますって。

小牧 いや、泣かんように頑張る(笑)。そういえば、先週はちょっとうれしいことがあって。藤田菜七子ちゃんが京都に乗りにきていたでしょう。

──日曜日は京都でしたね。

小牧 鞍置き場が近くてね。話をする機会がようけあって。「小牧さん、いつまでですか?」って言うから、「8月にはもうあっち(園田)に行くで」と。そしたら、「『太論』はどうするんですか?」って心配しとった(笑)。いつも見てくれているみたいで、「嘘やん、俺の隠れファンがここにもいたか」って言うたんやけど(笑)。

──今村聖奈騎手に続き、「隠れ太ファン」発見(笑)。まぁ『太論』は続くんですけどね。

小牧 うん、「続くみたいやで」と言っておいたわ。彼女は関東の所属だから、「菜七子ちゃんと会うのも今日が最後かもしれんで」という話をしてね。「いやいや、交流で会うかもしれませんよ」って言うから、冗談で「そしたら俺、会わんように隠れておくわ」言うて(笑)。「そんなこと言わないでくださいよ!」なんて言ってくれていたけど、実際に交流で会う機会があったら、僕のほうから挨拶に出向きます(笑)。これまでちゃんと話す機会がほとんどなかったから、なんかいろいろ話せてうれしかったな。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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