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【#56】「これまでではあり得ないくらい沢山のお話を...」“日本一の名医”による診察の全貌

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  • 2024年06月24日(月) 18時01分
障害ジョッキーの白浜雄造騎手の奥様が、一昨年の夏の落馬から復帰を目指して奮闘する夫と家族のリアルな姿を描く連載コラム。

今回も引き続き、これからのリハビリに関する話題です。アスリートの脳外傷を専門にしている中山晴雄先生の診察がついに終了。由紀子さんは「とても充実した時間になりました」と振り返ります。

雄造騎手も今後「先生に診てほしいです」ときっぱり告げたほどの繊細な診察の全貌を公開。そして鬼嫁が“日本一の名医との出会い”に感じたこととは──。

中山晴雄先生の診察を終えて「たとえ夫の望みが叶わなかったとしても...」


 騎手や馬関係の仕事はあきらめて、新しい職に就くためのリハビリをするよう進言がいただけるかもしれない──そんな期待を抱いていた中山晴雄先生の診察ですが、先生は夫のモチベーションを下げないためなのか、業界復帰を目標にリハビリを続けるようにとおっしゃいました。

 医療の知識の乏しい素人が口を出してもいいことは何ひとつないと私は思っているので、中山先生がそうおっしゃるのであれば、私はそれに従うまでです。

 この日、中山先生は、以下のようなお話をしてくださいました。

 「競技復帰、業界復帰を目指すのであれば、まずは日常生活を安定させることから始めましょう。マルチタスク、リスク管理、プロセスタスク。そして計画をして物事を進めるという部分に後遺症が出ているようですが、いかがですか? スケジュールを立てて物事を進めることが今は苦手ではないですか?

 今は奥さんがサポートに入っているようですが、今後も奥さんがそこをサポートし続けるというのは現実的ではありません。自立しないと、将来的に白浜さんが困ってしまいます。メモに書くなど、やりやすい方法を考えて、自立できるように努力することが望ましいと思います。

 同時処理能力向上のリハビリで料理に取り組んだり、空間認知能力向上のリハビリでパズルやプラモデルをしたり、簡単な脳の体操として、5、6歳用の知育プログラムに取り組んだりなど、日常生活を送りながらできる効果的なリハビリがあります。

 重傷を負ってから8カ月、治療やリハビリを受けてできることが増えたと思いますが、軽減させたい後遺症やコントロールしたい脳機能があるはずです。

 MRIでは傷ついているようには見えませんが、実は傷がついていて、そこ由来の後遺症の場合もあり、損傷個所によってリハビリでのアプローチ法が変わってきます。そのため、問題となる後遺症が脳のどこが傷ついて起こっていることなのか、慎重な判断が必要です。

 デスクワーカーは聴覚優位ですが、ホースライダーは視覚優位。アスリートは、ほとんどの競技の選手が視覚優位なんですよ。目からの情報は、後頭葉→頭頂葉→前頭葉の順に処理されますが、これらのどこかでネットワーク障害が起これば脳はスムーズに動かない。

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1981年9月9日生まれ。2015年に障害騎手の白浜雄造と結婚。1男1女をもうける。結婚前は四位洋文調教師や福永祐一調教師(両名、当時騎手)らが所属していたマネージメント会社にてマネージャーを務め、TV番組収録やイベント等、様々な現場で騎手をサポート。福永調教師の引退までの16年間はバレット業務も兼任。福永厩舎開業後は経理兼秘書業務を担当予定。現在はオンラインサロン「福永祐一 競走馬研究所」の運営スタッフを務める傍らフリーランスとして活動中。新たな目標のアイシングクッキー講師としても活動すべく準備中。(旧姓は坪田、また戸籍上の表記は幸子)

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