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46歳で高校2年生に! 難しい授業に日々奮闘中

  • 2024年07月01日(月) 12時00分
 宝塚記念、GI芝2200m。上半期を締めくくるグランプリレースが、18年ぶりに京都競馬場で開催されました。2006年以来の京都開催は、ディープインパクトが勝利したときと同じ雨。締めくくりにふさわしい見ごたえのあるレースでした。

 3番人気のブローザホーンがGI初制覇を飾りました。13頭中で最も小柄な428kgの馬体が、とっても偉大に見えた瞬間でした。僕と共に関屋記念を制したオースミコスモも小さい馬でしたが、走るときは馬体を大きく見せて、たくましく走ってくれたことを思い出します。吉岡辰弥調教師も、いつもより馬体をパンプアップさせ、大きく見せており、馬自身も充実しているとコメントされていました。

 午前中からずっと雨模様。重馬場で内が傷んでいたのが、レースの明暗を分けたのでしょう。外ラチ沿いを走らせた菅原明良騎手の思い切った進路選択が、勝利につながりました。馬の気分を大事にしてレースを進めることの大切さを、より深く理解できた展開でしたね。吉岡厩舎・菅原明良騎手・そしてブローザホーン号、初めてづくしの勝利を掴んだ陣営の皆様おめでとうございます。秋に向けての活躍が楽しみです。

日々是好日

▲宝塚記念で撮影した最高の笑顔の菅原明良騎手


 上半期は調教師・騎手共にGI初制覇があり、若い世代が競馬を盛り上げていて、これからの楽しみが増えました。また、宝塚記念は実力馬揃いだったので今後も楽しみにしています。

 夏競馬が始まり、新馬戦も多くなってきました。未来のスターホース誕生から目が離せません。涼を求めて北海道へ出かけたり、小倉で美味しいものを沢山食べる。そんな楽しみ方も面白そうですね。

 天候不順でレース展開や馬体の調整も難しいでしょう。そんな中でも、馬と騎手の安全に細心の注意を払い、レースが行われています。全人馬の無事と馬券の的中も願い、競馬を楽しみましょう。

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このまま高校生活を3年間続けられれば 新しい自分に出会えるかもしれない


 実は僕も天候に左右されることが、沢山あります。尖足歩きをしているので、雨が降ると滑りやすく、慎重に歩いています。雨の日は脳の動きが鈍り、湯気で曇っているような感じになるので、眠気に襲われてあくびもよく出ます。

 しかし、綾羽高校の2年生は7時間授業なので、居眠りなんかしていられないです。46歳の高校生ですが、同級生にはいろいろな事情で高校入学が遅れた生徒もいます。みんなまだまだ若くフレッシュで、教室は賑やか。そんな中にいることが心地よく楽しいです。

日々是好日

▲通っている綾羽高校の校舎


 先日、ウマ娘のゲームをしていることを教えてくれた生徒に「つねパパ、ウマ娘のゲームやってる?」と聞かれ

「僕は液晶が見えにくいのでゲームは出来ないけど、映画を見に行ってきたよ。いきなりテイエムオペラオーが飛び込んできて『ワックンや』と叫びそうになったわ」と話すと、

「映画行ったんや、すごい迫力やったやろー」

「そうそう、同期の和田(竜)騎手がテイエムオペラオーで勝ってたから、嬉しくて懐かしかったわ」

「凄い騎手と友達なんやな」

「福永元騎手は今調教師になっているけど、みんな友達やで」

 そんな会話をして、若い世代の生徒たちの仲間入りもできました。いつもあっという間に時間が過ぎるので、毎週土曜日が楽しみです。

 綾羽高校は普通科もありますが、ほかの高校とは少し違い、食物調理科・美容コース・製菓コース・情報コースなど専門的に勉強するコースと、週末コース(僕はここにいる)があります。食物や製菓・美容コースなどは、社会実習を受けながら国家資格を取得し、専門職を目指しています。学校内には調理実習室・製菓実習室・美容実習室もあります。

日々是好日

▲綾羽高校には様々な教室や設備が!


 社会実習は厳しい指導を受けながらも、生きる力をもって社会へ踏み出すための工夫や努力を重ね、学びの機会を得ることによって、成熟した青年として社会で活躍するステップにしてほしい願いから行われています。もちろん、普通コースもあります。綾羽高校は目的をもって、自ら考えて学習し、行動する力を大事にしています。

 僕は落馬により、高次脳機能障害という障がいをもつことになってしまいました。しかし、命は丸儲けして歩くことも話すこともできるようになり、高校で勉強したいと思いました。通い始めると、自分から学びたいとも思うようになりました。

 2年生になると授業もウーンと難しくなり、早くも悪戦苦闘中。グローバルや情報、倫理という科目があり、聞いただけでそれってどんなことを勉強するんですか? という感じです。

 記憶障害が邪魔をします。時間割を合わせますが、7時間分の教科書やレポートを1つか2つは忘れてしまいます。左半則無視があるので、横書きの文字の最初を見落とし、意味が解らなくなります。

 視野欠損もあり、これも厄介です。情報の授業ではコンピュータについていろいろな言葉が出てきますが、見落としてしまいます。キーボードの全体を見ることができないので、Enterと言われてもどこや? となる。つねいしをTSUNEISHIとローマ字では書けるが、キーボードで打つことができません。専門用語も中々難しいですね。

 パソコンを触ることができないので、文章だけでは一苦労です。パソコンができると便利ですよね。小さなコンピューターが入った炊飯器や冷蔵庫には、こんな便利なものがあるんやーと、目が点になるくらい驚きました。僕はまるで原始人みたいに遅れていますね。

 コラムを書いていますが、僕が書いた原稿を母がパソコンで送ってくれています。ゆっくり少しでも、一人でできるようになりたいです。何時までも母を頼っていては駄目ですよね。

 出来ないことはいっぱいですが、体育の時間に体力検査があり、ホットなニュースもありました。50m走のタイムは10秒6で、女子も含めた中で最下位。最後までよく走ったと拍手してもらえて嬉しかったけど、ちょっと恥ずかしかったです。

 ランニングではさすがアスリートだね、持久力があると周りから絶賛。握力も一番強かったので、やっぱりアスリートやと褒めてもらい、自分にもできることがあるんだと自信に繋がりました。

 できることを見つけて増やしていきたいと思います。すぐに眠たくなっていた僕ですが、コーヒーを飲んだりして対策すると、集中できるようになってきました。

 このまま3年間高校生活を送れば、新しい自分に会えることができるかもしれないと思うとワクワクします。頑張ります! やり切ります!

 パラ馬術大会に参加することも、僕にとっては大きな財産です。7月14日からドイツ・オランダに行くので、最後まであきらめずに挑んできます。

 まだまだこれからいっぱいやることがあって、楽しいけど忙しくなるぞー。後半には修学旅行もあるそうなので、学生生活を謳歌したいです。高校日記はまたお届けしたいと思います。

オカン 2年生が始まり早くも3ヶ月。先日参観日があり、英語の授業を参観してきました。What(なに)when(いつ)where(どこ)who(だれ)why(なぜ)と基本形の復習から現在完了進行形を学習していましたが、習った記憶はあるような…? もう母にはわからないからがんばれー! パラ馬術大会で使えるようになるといいね。

 高校生のときには授業参観などはありませんでしたが、様子を見ることができて安心しました。その後の交流会にも参加し、一般高校で登校拒否していたが、編入したことで学校に来られるようになったお話などを聞くことができて良かったです。自宅でも息子について話してくれていたそうで、少しですが知っている人もいました。

「優しいし明るいから、歳の差をあまり感じないよ」と聞き、親バカながらほんのり嬉しくなりました。障がいがあることを理解していただく、良い機会にもなったと思います。

 パラ馬術乗馬と高校生活の二刀流、ますます忙しくなるけどファイト!

 つねかつこと常石勝義&おかん

(次回の更新は8/1(月)を予定しております)

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1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っている。

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