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【松田大作元騎手・独占告白】電撃引退から半年──当時の真相と27年間の苦労を語る(前編)

  • 2024年07月03日(水) 18時01分
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▲昨年現役を引退した松田大作元騎手に独占取材(撮影:桂伸也)


昨年12月、突然の引退を明らかにした松田大作元騎手。JRA通算500勝を挙げ、27年間活躍したベテランの電撃発表に多くのファンが驚き惜しみました。

今回は松田大作元騎手に現在の生活や、引退の“裏側”に関するインタビューを実施。「本当に周りの方たちのおかげです」と語るこれまでについても、赤裸々にお話しいただきました──。

(取材・構成:不破由妃子)

「俺もここまでか」騎手人生最後の日に感じたこと


──2023年12日10日の中京での騎乗を最後に、12月17日付で騎手免許を返上。あれから半年ほど経ちましたが、このほどセカンドキャリアをスタートさせたそうですね。

松田 はい。祇園で『Dz(ディーズ)』というBARを始めました。まだオープンしたばかりなんですけど、おかげさまで忙しくさせてもらっています。

──それにしても、大作さんの引退は突然だった。周りの関係者の方たちはご存じだったんですか?

松田 いえ、ほとんど誰にも言わずに…。知っていた人は、ごくわずかでした。引退する2年くらい前からかな、自分のなかに「このままジョッキーを続けていくのは、ちょっとしんどいな」という思いが芽生え始めて。それでも、応援してくれる方、乗せてくれるオーナーや調教師の先生方がいたので、なんとかその気持ちに応えたいという思いで乗ってきました。一方で、思い描いた騎乗ができない、もうきついな…と思う自分もいて。最後の2年間は、そのふたつの気持ちが常にせめぎ合っているような状態でしたね。

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▲引退を決めたことは周囲にもほとんど伝えていなかったそう(撮影:桂伸也)


──そうだったんですね。昨年の夏には通算500勝を達成されたこともあり、ここからさらにモチベーションを上げて…という時期なのかと思っていました。

松田 500勝させていただいたことは、自分のなかでも確かにひとつの区切りになりました。490勝を超えてからなかなか勝てなかったので、もう無理なんじゃないかなと思っていたところだったので。だから、500勝に到達したことが、なんていうのかな…ひとつの起点になったんですよね。今思えば、少し糸が切れたような感じになったというか。

──なるほど。引退に向けて自分の気持ちを整理する起点になったと。それにしても、500勝達成の記念撮影では、後ろにジョッキー仲間がズラリと並んで。すごくいい光景だなと思ったことを覚えています。

松田 あんなふうにね、みんな並んでくれて…。とてもうれしかったですし、今でも自分の財産だなと感じています。

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▲JRA通算500勝セレモニーは笑顔溢れる賑やかな時間に(撮影:山中博喜)


──500勝が引退に向けての起点になったとはいえ、結果的に最後の日となった12月10日も、5鞍に騎乗されて2着2回と見せ場があった。引退の気配をまったく感じさせないなかでの突然の発表だったので、私としてはただただ驚いたのですが。

松田 あの日もね、いいきっかけになったという言い方もあれですが、2Rで1番人気の馬に乗っていたんですよね(アロットドリーム)。でも、2着という結果に終わり、「今の俺は、この馬に乗っても勝てないんだ」と思ったりして…

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