こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、函館競馬場で行われる函館記念(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
例年よりメンバーが揃った印象
函館記念は2015年から2019年までは開催の閉幕から1つ前の週で行われていたが、2020年から開催が1週繰り上がったことによって最終週の日曜日の開催となった。Bコース替わりの週に行われていた15〜19年は先行して内を立ち回る馬が有利な決着が続いていたが、最終週での施行となった近年はオリンピックでの変則開催だった2021年を除いて毎年差し馬有利の決着となっている。
馬場が傷みやすい洋芝であることに加え、7月からは北海道も降雨が増える時期で、実際ここ2年は特に雨の影響を受けていた様にタフな馬場状態になる要素が揃いやすい故、今後もこの開催日程が続く限りは差し有利の決着が起こりやすいレースになりそう。
函館記念と言えば過去10年の出走馬159頭の内、前哨戦のような立ち位置になっている巴賞からのローテーションの馬が実に52頭を占めていてどうしてもここに触れないわけにはいかない。
同じ函館で叩いてきている馬だけにそれなりに人気する馬も多いが、下の成績を見てもらえれば一目瞭然で巴賞から来ている馬を消すだけで期待値を取れているという結果になる。この不振の理由は様々ありそうだが、個人的にはシンプルにメンバーレベルが低くて重賞では通用しない馬が多いが、同場からのローテーションで前走まとまった着順プラス斤量も背負いにくいことで過剰に売れてしまっている面が大きいように感じる。
巴賞組が走らない一方で、前走重賞からのローテーションの馬は単複ともに回収率100%を超えていることを考えても、やはりこちらの方が単純に格上な場合が多いと推察できる。
更に函館2000m自体が1〜2コーナー途中まで下り、向正面で上っていくコースレイアウトであり、開催最終週の馬場も相まって2000mより長い距離で走ってきたような馬の方が適性的にもマッチするためか距離短縮の馬は更に好成績。
今年はサヴォーナやトップナイフのようなGIでも通用した実績がある馬や、2走前にGIIを勝利しているチャックネイトなどがその条件に当てはまり、全体的にも例年よりメンバーが揃った印象。そうなれば例年通り巴賞組は苦戦する可能性が高いとみている。