対象レース：2024年5月26日(日)東京11R 日本ダービー

1. メンバーの印象

　まず今年は皐月賞のレースレベルが非常に高かったです。走破時計＆ラップからもケチをつける箇所はなく、日本ダービーも順当に皐月賞組が優勢だと感じていました。他路線からの穴馬はあきらめて皐月賞で本来の力を出せなかった馬の逆襲を狙いたいと考えました。

2. 予想のプロセス

　皐月賞で本来の力を出せなかった馬、これに真っ先に該当する馬は皐月賞で差し損ねて負けたレガレイラとアーバンシック、この2頭が真っ先に思い浮かびました。ですが、現代の競馬ファンは情報取得量が多く、皐月賞よりダービー向きに見えやすいこの2頭がダービーで必要以上に売れることは目に見えていましたので他の角度からを考えることにしました。

　前述しましたが、皐月賞は非常にレースレベルが高く、特に皐月賞6着以上の馬たちは強くダービーでも好走する確率は高いと感じていました。一方で競馬は“能力があるのに人気がない馬”を探すことが期待値につながります。ですので今回は強い皐月賞上位5頭、ジャスティンミラノ、コスモキュランダ、アーバンシック、シンエンペラー、レガレイラと同等のパフォーマンスを出す可能性があるのに人気がない馬を探すことにしました。

　レースを見返してこの条件にバッチシ当てはまる馬がダノンデサイルでした。予想時に書いた文章が下記で、ダノンデサイルがアーバンシックより強い可能性は十分あるにもかかわらず人気は全くないという馬券を買う上で理想的な状況が整っていました。

「京成杯。このレースはやっぱり何度見ても強い。外枠からスっと先行して、終始外々を回して完勝。2着のアーバンシックが直線だけで突っ込んできてダービー向きだと人気しているが、よく直線の映像を見てもらいたい。直線だけ見てもダノンデサイルは全く差を詰められていない。ゴール間際でもダノンデサイルとアーバンシックの2頭は伸び続けていて差が詰まることなくゴールしており、東京だから逆転すると考えるには条件が乏しいと感じた。また、ダノンデサイルは右回りのコーナーがあまり上手ではなく、実際京成杯も4角の入り口で手前を替えるのに失敗しており、いったんブレーキがかかっている。そこから再度加速してアーバンシックと同等の末脚だと考えると、とびの大きさやコーナリング性能からもダノンデサイルも東京でさらにパフォーマンスを上げる可能性は高い。」

　皐月賞は直前で回避しましたが、そのおかげもあってダービーではダノンデサイル本来の能力が世間にばれないままでした。京都2歳Sと新馬戦もともに4着でしたが、敗戦の言い訳ができる内容でした。それでも馬柱が汚れたおかげで“能力があるのに人気がない馬”の条件を満たしました。最終オッズ単勝8.3倍のアーバンシックよりも能力が高い可能性を十分に秘めているダノンデサイルが単勝46.6倍で買えたのですからレース前のワクワクドキドキはいつもより高かったことを覚えています。

3. 買い目の意図

　皐月賞上位の5頭は力が上だと判断していましたので、その代わりに他路線はバッサリ切ることを決断しました。この5頭にダノンデサイルがどこまで着順を上げていけるか。という予想でしたので、単複で保険をかけずに3連単、3連複、馬連で攻めの馬券を組みました。

4. レース後の感想

　まず、横山典弘騎手が完璧すぎました。展開予想で「この枠なら逃げても良いし、外から逃げたい馬がいるならその馬を行かせてインの番手で我慢出来る選択を持てるのは強い」と予想していましたが、横山典弘騎手は私の描いていた想定通りに完璧に乗ってくれました。

　また、結局ダービーは上位6頭まで前走皐月賞組の決着となり、やはり皐月賞のレースレベルが高かったのだと再認識することとなりました。能力比較もしっかりできて、かつその中から“能力があるのに人気がない馬”を選択できたことの勝利だったと考えています。まさに会心の的中で私にとっても記憶に残り続けるであろう日本ダービーとなりました。

5. 最後に

　競馬は強い馬を買うだけでも穴馬を買うだけでもそれだけでは勝ち続けることは難しいです。これからも“能力があるのに人気がない馬”を買い続けていきたいと思います。



今回解説の予想結果はこちら。