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サトノカルナバルが2歳重賞一番星 父キタサンブラックと“相性良好”な母方の血統を深堀り

  • 2024年07月15日(月) 18時00分

血統で振り返る函館記念


【Pick Up】ホウオウビスケッツ:1着

 父マインドユアビスケッツはデルマソトガケ(全日本2歳優駿、UAEダービー、BCクラシック-2着)の父。現役時代にダート短距離で活躍したので、基本的にはダートを得意とし、芝とダートの勝利数の割合は約3対7。芝重賞で馬券圏内に入ったのは、ホウオウビスケッツのほかにはショーモン(デイリー杯2歳S-3着、アーリントンC-3着)しかいません。

 この2頭には「ディープインパクトの血を持っている」という共通点があります。ダート向きの種牡馬から芝向きの仔を作るときに、ディープインパクトの血は最も効果的です。先日、芝1200mの北九州記念を勝ったピューロマジックは、父がダート向きのアジアエクスプレスで、母の父がディープインパクトでした。

 ホウオウビスケッツの母ホウオウサブリナは、キングカメハメハの母マンファスを3×2でクロスさせた特殊な配合構成です。強い牝馬クロスを持つ繁殖牝馬から誕生した馬は成功例が目立ちます。たとえば、ディーパワンサ、ガルヴィハーラ、アヌラーダプラのきょうだい(母ポロンナルワはグローリアスソング2×3)、日本ダービー馬ディープスカイ(母アビはミスカーミー4×3)、安田記念馬ストロングリターンと桜花賞2着馬レッドオーヴァルの兄妹(母コートアウトはスマーテア4×3)、TCK女王盃を勝ったハルサンサン(母ハルワカはワカクモ3×4)などがそうです。世界に目を向ければ、ハイペリオン(母シリーンはピルグリミッジ3×4)、エーピーインディ(母ウィークエンドサプライズはサムシングロイヤル2×4)、マキャヴェリアン(母クドフォリーはアルマームード3×3)など枚挙にいとまがありません。

 母ホウオウサブリナは競走馬となった2頭の息子がいずれも勝ち上がっています。おそらく今後も継続的に活躍馬を出すでしょう。

血統で振り返る函館2歳S


【Pick Up】サトノカルナバル:1着

 洛陽S(L・芝1600m)や鞍馬S(OP・芝1200m)を勝ったジャスティンスカイの全弟。父キタサンブラックはイクイノックス、ソールオリエンスなどの父で、基本的に中距離タイプですが、ジャスティンスカイとサトノカルナバルは短めの距離で大成しています。

 母リアリサトリスは、ナンバーとヌレイエフの4分の3きょうだい(双方の父が親仔の関係で、母が同じ)を2×3で持っています。その効果か、出走した産駒8頭中7頭が勝ち上がっています。母の父ニューメラスは本邦輸入種牡馬ジェイドロバリーの全弟で、日本に輸入されたもう1頭の繁殖牝馬ベルアリュールIIも、アドマイヤリード、アドマイヤベル、ベルクレスタなどを出しており成功しています。日本競馬に高い適性があるといえるでしょう。

 母方に入るNureyev、Blushing Groomは、父キタサンブラックとの相性が良好。前者はイクイノックスに、後者はソールオリエンスに入ります。

 キタサンブラックの現3歳世代は、血統登録頭数がわずか54頭ということもあり低調ですが、70頭に増えた2歳世代はサトノカルナバルのほかに新馬戦で素晴らしい勝ち方をしたクロワデュノールが出ており復活傾向にあります。さらに、1歳は133頭と激増するので、来年デビューする世代はかなりの活躍が期待できます。

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【モンズーン】

 世界的に希少なブランドフォード系の末裔で、ドイツで4回チャンピオンサイアーとなっただけでなく、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、アメリカでも大レース勝ち馬を出しました。芝2400mに強いタイプですが、時計の速い決着にも対応できる素軽さを秘めています。

 産駒のスタセリタ(仏米のG1を6勝)は社台ファームが購買し、ソウルスターリング(オークス、阪神JF)、シェーングランツ(アルテミスS)の母となりました。それらの姪スターズオンアースは牝馬二冠馬です。

 牡馬の代表産駒の一頭ノヴェリスト(キングジョージ6世&クイーンエリザベスSなどG1を4勝)は、わが国に輸入されて種牡馬となり、ブレークアップ(アルゼンチン共和国杯)、ラストドラフト(京成杯)などを出しています。

血統に関する疑問にズバリ回答!


「ヨーロッパの新種牡馬戦線で注目馬はいますか?」

 まだシーズンが始まったばかりですから、夏から秋にかけて重賞を消化するにつれ、有力種牡馬が台頭してくると思います。現時点で目立っている馬を1頭挙げるとすれば、セルゲイプロコフィエフ(Sergei Prokofiev)です。

 各国のファーストシーズンサイアーランキングでは、イギリスで1位、アイルランドで1位、フランスで5位。早期の2歳戦で活躍しています。自身は2歳時に芝5ハロンの英G3を勝った程度の競走成績でしたが、仕上がりの早さとスピードを武器に台頭してきました。父スキャットダディはジャスティファイ、ノーネイネヴァー、カラヴァッジオ、ミスターメロディなどの父。セルゲイプロコフィエフは配合的にカラヴァッジオに近く、おそらく仕上がり早のスピード血統でしょう。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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