こちらのコラムでは、俺プロ出身の奇才・のれん氏が当週の重賞注目馬を公開。ただ強いというだけでなく、馬券で期待値がとれそうな「妙味ある馬」を紹介していただきます。
今週のれん氏が注目したのは、新潟競馬場で行われるレパードステークス(GIII)。実力派の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
メンバーの分散で広がるチャンス
レパードSは3歳限定のダート重賞。昨年まではダートの世代限定戦としては時期的に最後のレースで、ここで賞金を積んで古馬との闘いに挑んでいく馬が集まるレースだった。
しかし、この3歳世代から始まったダート路線の抜本的な改革により、10月に昨年までのジャパンダートダービーの立ち位置であるジャパンダートクラシック、9月にはその前哨戦の不来方賞とこの後にも3歳馬同士での戦いが続くことになり、レパードSも1着馬のみにジャパンダートクラシックへの優先出走権が与えられる。
この改革でレパードSが受ける影響を考えてみると、まず不来方賞とのメンバーの分散が一つ挙げられるだろう。現状ではカシマエスパーダやサンライズジパングなどが出走を表明しているが、カシマエスパーダはここに出走していれば確実に1番人気になっていたはずの馬で、その分他の馬にチャンスは広がった。
昨年は前走で唯一3勝クラスを走っていたライオットガールが制したように、ダート戦は芝よりもクラスの壁が大きい。それだけにこれまではジャパンダートダービーに出走していた馬や、古馬相手に2勝クラスをあっさり突破するような馬が上位になることが多く、1勝クラスまででしか実績がないような馬は苦戦傾向だった。
しかし、今回も前走でユニコーンSを走っていた馬が4頭、出走経験馬で言うと6頭が登録しているように、今年からはダート三冠路線に絞ってレースを使ってくる馬が新たに出現する。
東京ダービーを狙う上で雲取賞や京浜盃からの路線は中央馬の枠が3頭だけな上に、その出走枠に入るのも抽選に通らないといけないようにそもそもの参入障壁が高すぎる上に運要素も強く、必ずしも強い馬が選抜されるわけではない。
つまり東京ダービーを狙う強い馬がユニコーンSに一挙集結するようなレース体系になっていて、東京ダービーがユニコーンS組で後続を千切る形になったのはある種当然ともいえる。今後のレパードSもユニコーンSで馬柱を汚した組が巻き返すのが穴パターンになるのではないかと予想している。
そしてもう一つの影響として考えられるのが、勝ち馬に新たにジャパンダートクラシックへの優先出走権が与えられることで、これまでよりも前掛かりな競馬になる可能性が高まること。
ダート戦がそもそも砂を被らずに先行するのが有利なので、勝ち上がってくる馬も先行馬が多いのは当然の摂理であり、時間的猶予が少ない世代限定戦だとそれが顕著になりやすく、レパードSも2019年や2022年などはお手本のようなオーバーペースでの前潰れだった。今後はそういった競馬の出現確率が高くなるであろうことは頭に入れておくべき。