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重力がかかるだけで耐えがたい激痛が──「突然の休養」で考えた、求められる仕事に応え続けるための体との付き合い方【In the brain】

  • 2024年08月01日(木) 18時01分
“VOICE”

▲今回のテーマは川田将雅騎手の休養について(撮影:福井麻衣子)


7月、2週間の休養を発表した川田騎手。体のメンテナンスに専念するためとの発表でしたが、実際は想像を絶する激しい痛みに襲われていたそうです。

今回は“限界”を感じた競馬後の症状や、沢山の注射を打った治療の裏側を公開。気になる現在の体調、今後の騎乗に関わる計画についてもお話しいただきました。
(取材・構成=不破由妃子)

川田騎手が考える“尋常ではない痛み”の原因


 7月2週目3週目とお休みをいただき、先週無事に復帰することができました。突然休むという事態になってしまい、騎乗依頼をいただいていた関係者のみなさんにご迷惑を掛けてしまったこと、とても申し訳なく思っています。ただ、ここで休まなければ、きっとこの先、もっと大きな迷惑を掛けてしまう。休まないといけない時がきたことを自覚しました。

 とはいえ、どうしようかなと迷う余地などなく、7月7日の競馬後は、股関節周辺全体の痛みで立つこともままならない状態でした。乗っていたのが阪神や京都であれば、無理して帰ることもできたかもしれませんが、あの日は小倉でしたからね。とても移動できる状態ではなく、日曜日はそのまま調整ルームの部屋から出られませんでした。開催終了後も調整ルームに泊まれるローカル期間で本当によかった。なにしろあの日の競馬のあとは、立って重力がかかるだけで耐えがたい痛みがあり、寝ていても痛くて動けませんでしたから。

 その週の金曜日にも病院には行っていて、そのときも注射を打ったり、レントゲンを撮ったり、エコー検査をしたり。その結果、とくに問題はなく、大丈夫だろうということで競馬に乗り、競馬中はアドレナリンが出ているおかげでなんとか乗ることができました。ただ、1日の競馬が終わってアドレナリンが切れた瞬間、「あ、これは無理なやつだ」と。限界だと感じました。

 いうなればケガのようなものですが、突然襲ってきたものではなく、蓄積した疲労や身体の痛みとは長年の付き合い。なので、日々のメンテナンスがとても大事で、平日はもちろん、競馬の合間もひたすらケアをしていましたが、

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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