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中京記念的中の舞台裏 AIが導いた予想の真相(EquineGenius)

  • 2024年08月11日(日) 18時00分
予想の頭脳

20万超えの払い戻し


『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、会心の的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、中京記念を的中させた「EquineGenius」氏。波乱となった一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!


対象レース:2024年7月21日(日)小倉11R 中京記念

予想の頭脳

「EquineGenius」氏


 こんにちは。競馬予想AI「EquineGenius」を開発したプロエンジニアyuuです。今回は、中京記念での的中について、AIがどのように買い目を導き出したのか、その過程を詳しくご紹介します。AIによる指数や買い目の算出結果を、競馬ファンの皆様にわかりやすく言語化して説明していきます。

■メンバーの印象

 今回の中京記念は、一見すると実力が拮抗した難解なレースという印象を受けました。しかし、AIによる詳細な分析を行うと、上位争いをする馬は数頭に絞られると判断しました。

 能力値指数では、エルトンバローズが評価1位、エピファニーが評価2位でした。一方、期待値指数(非公開)ではエルトンバローズが評価1位を維持しつつ、アルナシームが評価2位に浮上しました。この結果から、AIはエルトンバローズとアルナシームに特に注目していると言えます。

 エルトンバローズは両指数で1位を獲得しており、安定感と期待値の高さを兼ね備えた存在として評価しています。一方、アルナシームは能力値指数では4位でしたが、期待値指数では2位に浮上しました。これは能力値指数と予測オッズ(非公開)を判断して、人気馬が力を出せなかったり、アルナシームに有利な展開になったとき、高配当が期待できると分析した結果が反映されています。

 また、近走で上昇気配を見せていた馬や、小倉競馬場での好走歴がある馬にも注目しました。特にアルナシームは、オッズ以上の走りを期待できると判断し、AIの評価では上位に位置づけています。

 このように、単純な能力値指数だけでなく、期待値指数や予測オッズなど、多角的な視点で出走馬をAIが分析することで、より精度の高い予想が可能になると考えています。

■レース前後の印象

 レース前の馬場状態は、やや重めの良馬場でした。前日の情報をもとに予想を出すため、馬場が荒れすぎるのはあまり好ましくありませんが、今回は想定内の馬場状態でスタートし、その影響はあまりなかったと考えています。

 コースに関しては、小倉競馬場の特性を考慮に入れています。ニホンピロキーフは小倉3戦3勝と得意としていましたが、レースレベルや直近の状態を重視していたため、評価は高くありませんでした。エピファニーは2走前の小倉大賞典の勝利が高い評価につながっています。

 騎手に関して特筆すべきは、アルナシームと横山典弘騎手の相性の良さです。過去2走、騎乗したことにより、横山騎手はアルナシームの特性を熟知しており、絶妙なタイミングで追い出すなど、馬の力を最大限に引き出す騎乗を見せてくれました。

 ラップタイムはミドルからスローを想定していましたが、予想に反してハイペースの展開となりました。この展開は中団に待機していた差し馬に有利に働きました。特にアルナシームは、横山騎手の巧みな騎乗により、ハイペースの中でも好位置をキープし、最後の直線で力強い差し脚を発揮することができました。

 このハイペース展開は当初の予想とは異なりましたが、結果的にアルナシームに有利に働く展開となりました。これは、馬の能力だけでなく、横山騎手の技量や相性、そして展開予測の重要性を再認識させる結果となりました。

 一方、エルトンバローズは絶好の位置で4角先頭の横綱相撲を見せる形になりましたが、1、2着馬より前目の位置取り、早めの仕掛けが最後の差になったと思います。最後の直線での脚の使い方が勝負を分けたことは間違いありませんが、それ以上に、ハイペースの中で各馬がどのようにエネルギーを配分したかが勝敗を大きく左右したと言えるでしょう。この点で、アルナシームと横山騎手のコンビネーションが効果を発揮したと分析しています。

■予想のプロセス

 AIの予想プロセスの特徴は、単なる過去の成績だけでなく、様々な要素を総合的に分析することです。具体的には、各馬の近走成績、騎手との相性、コース適性などを細かく検討します。

 特に重視しているのは、単に勝率の高い馬に注目するのではなく、勝率は低くても期待値が高い馬を軸馬に選定することです。この方法により、オッズと実力の乖離を見出し、高配当を狙うことが可能となります。

 今回、波乱の立役者であるアルナシームを軸の一頭に選んだのも、このアプローチの結果です。アルナシームは勝率こそ高くありませんでしたが、最近のレースでの上昇気配と小倉競馬場での好走歴、さらに騎手との相性を考慮すると、期待値が非常に高いと判断しました。

 このように、表面的な過去の成績だけでなく、様々な角度から馬を評価し、期待値を算出することがAIの予想プロセスです。時には矛盾するような選択をすることもありますが、それは全て綿密な分析と期待値計算に基づいています。

■買い目の意図

 AIの買い目は、的中率と回収率を最大化するために最適化しています。そのため、予想印や指数と必ずしも連動しません。今回、三連単2頭軸の1頭にアルナシームを選び、1、3着固定にした理由は、より複雑な分析結果に基づいています。

 具体的には、エルトンバローズとアルナシームの予測勝率と期待値を綿密に計算し、それらを組み合わせた結果から導き出された買い目です。この1、3着固定という形は、回収率を最大化するための最適解として算出されました。つまり、単に「勝つ可能性が高い」という理由だけでなく、「最も効率的に利益を得られる」という観点から選択された買い方なのです。

 点数を絞れた理由は、この綿密な分析により、可能性の低い組み合わせを効果的に排除できたからです。また、変則的な買い方をしたのは、オッズと的中確率のバランスを考慮し、期待値の高い買い目を選択したためです。

 AIの馬券戦略は、単なる的中だけでなく、長期的な回収率の向上にあります。そのため、時には「常識外れ」と思われるような買い方をすることもありますが、それは全て綿密な分析と数学的な戦略に基づいています。

 このアプローチは、短期的には的中率を下げる可能性もありますが、長期的には安定した高い回収率につながると判断しています。競馬予想において真に重要なのは、一時的な的中ではなく、継続的な利益の確保だと考えているからです。

■レース後の感想

 結果として、予想通りの展開となり、狙い通りの的中を果たすことができました。この的中は決して偶然ではなく、日々の研鑽と徹底した分析の成果だと考えています。

 しかし、2着には最も安い配当のエピファニーがきてしまい、配当面では少し物足りない結果となりました。AIの買い目には10万馬券も狙える組み合わせもカバーしていました。今回は「堅い」結果となりましたが、同じ戦略で今後とんでもない高配当を的中できる可能性があることを考えると、非常に楽しみです。この戦略の真価が発揮される日が来ることを、楽しみにしています。

 これからも、単なる的中だけでなく、安定した回収率と時折の大穴的中を目指して研究を重ねていきます。AIの予想と分析が、競馬ファンの皆様のお役に立てれば幸いです。そして、次はぜひ10万馬券以上の大台を的中させ、皆様に驚きと興奮をお届けしたいと思います。

(EquineGenius)


今回解説の予想結果はこちら


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なぜあの馬に印を打てたのか。会心の勝利を収めたプロ予想家が、自身の的中を元にレースを振り返る予想力向上コラム。 関連サイト:ウマい馬券

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