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ノースブリッジが札幌記念制覇 6歳馬ながら秋も侮れない“血統的な理由”とは?

  • 2024年08月19日(月) 18時00分

血統で振り返る札幌記念



【Pick Up】ノースブリッジ:1着

 モーリス産駒の札幌記念制覇は、2022年のジャックドールに次いで2頭目です。

 モーリス産駒の牡馬・セン馬は、芝1800〜2000mの成績が素晴らしく、このレンジでは連対率25.8%、1走あたりの賞金額343万円と抜群です。直近1年だけでも新潟記念(ノッキングポイント)、東スポ杯2歳S(シュトラウス)、中山記念(マテンロウスカイ)、中京記念(アルナシーム)を勝っています。

 ノースブリッジはエプソムC、AJCCに次いで重賞3勝目。3代母モガミヒメのファミリーは新冠の村田牧場の至宝で、これまでにローレルゲレイロ(スプリンターズS、高松宮記念)、ディープボンド(フォワ賞、阪神大賞典2回、京都新聞杯)、リキサンマックス(きさらぎ賞-2着)、タッチウッド(共同通信杯-2着)、アメージングムーン(ファンタジーS-3着)といった活躍馬が出ています。ちなみに、同日行われたCBC賞で2着となったスズハロームは母の父がローレルゲレイロです。

 モガミヒメのファミリーは息の長い活躍ができるのも特長のひとつなので、すでに6歳とはいえこの秋は侮れません。


血統で振り返るCBC賞



【Pick Up】ドロップオブライト:1着

 トーセンラー産駒の重賞勝利は、2022年1月にザダルが京都金杯を勝って以来となります。トーセンラーはディープインパクトの仔で、マイルチャンピオンシップなど3つの重賞を制覇。産駒は中央開催よりもローカルのほうが良く、前者の芝連対率が9.3%であるのに対し、後者は13.9%です。

 JRAで出走を果たした8頭のきょうだいのうち、プレシャスエース(テレ玉杯オーバルスプリント-4着)、テンテキセンセキ(3勝クラス)を含めて5頭が勝ち上がっています。

 母方にニジンスキーを持つトーセンラー産駒は、ドロップオブライトの他にザダル、アイラブテーラー、アケルナルスターなどが出ており、連対率15.2%、1走あたりの賞金額199万円。同産駒全体は10.0%、103万円なので、これを大きく上回っています。

知っておきたい! 血統表でよく見る名馬



【ダンスインザダーク】

 サンデーサイレンスの2世代目の産駒で、全きょうだいにダンスパートナー(オークス、エリザベス女王杯)、ダンスインザムード(桜花賞、ヴィクトリアマイル)がいます。現役時代に菊花賞など3つの重賞を勝ちました。

 この良血を活かして種牡馬としても成功し、総合種牡馬ランキングでは2004年に2位を記録。2003年から2009年までベスト5以内を保ちました。ザッツザプレンティ、デルタブルース、スリーロールスと、3頭の菊花賞馬を出したことで長距離型というイメージが強いのですが、配合次第でさまざまなタイプを出し、ツルマルボーイ、クラレント、ジョリーダンス、マルカフェニックスなど、1400〜1600mがベストというタイプも少なからず出しました。産駒の芝平均勝ち距離は1813m。これはステイゴールドの1940m、ハーツクライの1879m、ディープインパクトの1819mより短く、ゼンノロブロイの1803m、ネオユニヴァースの1791mより少し長い程度です。競馬場別では中山芝を苦手とし、道悪は上手とはいえず、3歳夏以降に完成するタイプが目立ちました。

 母の父としては2015年の2位が最高。2代母の父としては、今年の3歳馬からステレンボッシュ、レガレイラ、アーバンシック、メイショウタバル、カルチャーデイといった活躍馬が出ています。

血統に関する疑問にズバリ回答!



「今年の総合種牡馬ランキングは例年と違う傾向が見られますか?」

 昨年は1位ドゥラメンテから10位ルーラーシップまで、切れ目のないなだらかな階層が形成されていました。しかし今年は、1位キズナ、2位ロードカナロア、3位エピファネイアの3頭が第一集団となって抜け出し、4位以下の第二集団を引き離しています。群雄割拠時代とはいえ強弱が少しずつ露わになってきました。4位ドゥラメンテから10位ヘニーヒューズまでは団子状態で、ドレフォン、ハービンジャーは昨年に比べて好成績が目立ちます。

 母の父は昨年僅差の2位だったディープインパクトがキングカメハメハを抑えて首位に立っており、この部門で初めて戴冠する可能性が出てきました。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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