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【キーンランドC・新潟2歳S予想】札幌に集う快速自慢 ナムラクレアら有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年08月21日(水) 18時00分

連覇に向けて昨年との違いは?


 先週の札幌記念。週中から本命視していたノースブリッジを直前になって変更。「やってもうた」なわけですが、そういった判断で成功したこともあります。失敗のたびに悔いることが多い予想で、参考にしてくださる方には申し訳ないと頭を下げるしかありませんが、次が前進できる心配ならそんなことがあっても仕方ないと前を向くつもり。だったら、今週はきっちり結果を出さないといけませんが、キーンランドCのメンバー構成、ちょっと難しくないですか(笑)。

 もちろん、キャリアの浅い2歳重賞、新潟2歳Sはもっと難しいレース。しかも将来有望調教に該当している馬が6頭もいるので、馬券の組み立てをどうしたものかと思案中。今年は将来有望調教を「美W」「CW」「栗坂」とCWと栗坂どちらにも該当した「ダブル」の4種類に分類しているので、新潟2歳Sに最適なのはどの将来有望調教なのかを考えてみるのもひとつの方法なのかも知れません。

【キーンランドC/ナムラクレア】

 昨年はヴィクトリアマイルからのローテーションでしたが、今年は高松宮記念から、昨年よりもレース間隔があきました。ただ、栗東へ戻ってきた時期は昨年とあまり変わらず、しっかりと追い切りを課しているという点も変わりありません。

 7月31日の時点でCW6F80.8秒をマークして、8月7日に坂路で4F50.3秒をマークしており、昨年はCW中心だった追い切り負荷が今年は坂路でも積極的に時計を出した形。函館競馬場へ移動してからも順調に追い切りを消化しており、昨年同様、最終追い切りは札幌競馬場で消化する予定。その内容に関しては確認できていませんが、調整スケジュールとしては昨年とほぼ変わりありません。

【キーンランドC/オオバンブルマイ】

 国内でのレースはNHKマイルC以来、芝1200mに関しては今回が初めて。不安材料もいくつかありますが、それを払拭したくなるような動きが1週前追い切りでした。CWで単走だったとはいえ、きれいな加速ラップを踏んで、最後の直線は11.7秒から11.3秒と加速。追い切りで動くタイプではありましたが、CWでここまでしっかり走ることができるとは、と驚いたくらいです。

 中間は坂路での追い切り本数も多く、調教内容としては文句なし。あとは最終追い切りがどのような形になっているかということ、それにレース展開を含めた懸念材料をどう捉えるかで印評価が変わってきますが、栗東で状態が良かったことは強調しておきたいと思います。

調教Gメン研究所

調教内容としては文句なしのオオバンブルマイ(8月13日撮影)


【キーンランドC/エトヴプレ】

 北海道は初めてになりますが、7月には栗東で追い切り、8月に函館競馬場へ移動。現地では順調に追い切りを消化しています。1週前追い切りは函館Wで古馬2勝クラスとの併せ馬でしたが、きっちり先着して、ラスト1Fは11秒台。半マイルの時計も速く、現地での体調の良さも感じます。

 ここまで順調に追い切りを消化していますが、これまでのパターンだと、最終追い切りでは併せ馬をこなしている方が安心できます。その内容に関しては動きも含めて確認したいところですが、最終追いで整ったとすれば、あとは本来の先行する競馬でどんな結果を出してくれるかというところでしょう。

【新潟2歳S/シンフォーエバー】

 デビュー戦は決して追い切り本数が多かったわけではなく、むしろあと1本あってもよいくらい。ただ、追い切りの質が高く、7月21日のCWが左回りで3F35.6秒だったり、坂路では4F51.6秒、2F24.1秒、12.2秒で坂路の将来有望調教に該当したり、最終追い切りのCWでもラスト1Fが11秒台ならCWの将来有望調教にも該当していたという内容でした。

 今回心配するなら、陣営のコメントで出ている熱中症。その影響はないからこそ、ここに向けての調整が進められていると思いますが、やっぱり気にはなります。ただ、そこに関しては字面の調教内容から良し悪しが判断できません。それだけにあらためて最終追い切りの内容を主観的にチェックしようかなと思います。

調教Gメン研究所

将来有望調教にも該当しているシンフォーエバー(8月20日撮影)


【新潟2歳S/プロクレイア】

 デビュー戦はたった4本の追い切り。時計的な負荷としても、最終追い切りの坂路4F54.1秒が最も速かったくらいで、いかにも仕上がりの早い牝馬という感じなのでしょう。それゆえに中3週のローテーションなら、きっと強い負荷はかけてこないだろうというのは想定できました。

 1週前追い切りはなく、これに関しては落鉄の影響があったというのは陣営からコメントが出されています。ひょっとしたら、その分だけ最終追いの坂路4F時計が53.3秒と速くなったのかなと思いますし、4F目が0.1秒減速しています。追い切りの動きは確認できていないだけに、ここは映像でしっかり判断したいと思います。

◆次走要注意

・8/18 2歳新馬【マリエンプラッツ】(2人/6着)

 外枠ということもあってか、スタート直後から気合を入れて先行。これが馬の気負う原因になったようで、ずっと頭を上げながらの追走でした。もともと折り合いに心配がある馬ではないだけに、これは想定外。しっかり脚をためれば、最後の直線は確実に伸びるというイメージだっただけに、次走はそんな競馬を期待します。

[メモ登録用コメント] [芝]マイルなら中団から差す競馬で勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝1600m>
◎最終追い切り坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切り美Wラスト1F最速ラップ
◎1週前追い切り以降トラックW馬場3頭併せ一番後ろから先行か同入

 今夏の新潟開催ではすべての調教適性で1着馬は出ていますが、最多勝は美Wラスト1F最速ラップ。ただ、坂路との組み合わせなど、決してWか坂路に偏りが出ているわけではなく、ベストの調教適性に該当すること自体が重要と思われます。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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