
▲昨年はノッキングポイントが優勝(撮影:小金井邦祥)
新潟芝外回りのトラックバイアスは、外有利率が高い。
今夏に行われた芝重賞も関屋記念は7枠がワンツー。新潟2歳Sも6枠より外が4着までを独占し、そのうち3頭は5番人気以下で7枠より外だった馬。
関屋記念、新潟2歳Sともにレースの傾向から外枠を重視していたため、「ウマい馬券」で公開していた予想も本線で的中することができた。
しかし、新潟記念は、新潟芝外回りの傾向とは逆行するトラックバイアスになることが多い。
新潟記念は夏開催の最終日に行われるようになった2012年以降、12回のうち半数にあたる6回がトラックバイアス「内有利」もしくは「超内有利」。
なぜ新潟記念ではこのようなトラックバイアスが発生するのか? それは、騎手の意識が大きい。
騎手含む陣営が外差しの馬場を意識すると、ペースやコース取り自体がそれまでと変化する。
極端なスローペースや大逃げでペースが乱れることによって、後方からでは物理的に届かないレースや、インコースを避け馬群が外側に寄ることによって、相対的に内を通った馬が恵まれるレースが発生するので、実際の馬場状況通りに決着しないケースが増えてしまうのだ。
先週のメインレース、新潟2歳Sも、各馬がインコースを避けて走らせる傾向がみられるようになってきている。これが開催最終日でさらにエスカレートすると外枠は不利を受けやすくなる。
2020年、2019年の新潟記念は、まさにこのパターン。どちらも「内有利」になった。特に2019年は典型的なパターンだった。
このレースを迎えるまでは外有利な決着が続いていた影響で、ほとんどの馬が内を通らないレースになったが、結果として掲示板にのった5頭のうち4頭が4枠より内。唯一5枠より外から掲示板にのった4着のブラックスピネルは逃げて終始馬群の内側を走っていた。
今年も馬場状況が外有利であればあるほど「新潟記念」は「内有利」になる傾向を警戒したい。

▲アリスヴェリテに期待したい(c)netkeiba
アリスヴェリテは近2走ともに後続を大きく離して逃げ切り勝ち。特に2走前の道中は明らかにオーバーペースだったが、そのまま押し切った内容は評価できる。
今回はこの馬以外で積極的に先行しそうな馬が見当たらないメンバー構成。前走のようなペースで運び、先週のような馬場状況が続いているとすれば、各馬の仕掛けは遅いため、直線の半ばまでに相当なリードを保っているだろう。
内有利のレース傾向を考えれば、再び恵まれて好走するシーンを警戒したい。
殿堂入り予想家となった馬場虎太郎の新潟記念の予想はレース当日までにウマい馬券で公開!